新木場のSTUDIO COASTが来年で閉鎖することが発表されました。
多くのミュージシャンがステージに立った思い出のライブハウスということで、残念です。
同じようにZepp TOKYOも閉鎖することが決まっています。
コロナが憎い…なんて言葉も聞こえてきそうですが、閉鎖の理由は経営不振でもコロナでもありません。
閉鎖の理由は定期借地権にある
どうにかならなかったのか!と思う方もいるでしょうが、どうにもなりません。
現在、多くの施設が定期借地権を利用し建てられています。
ライブハウスだけではなく、マンションなどもそうです。
みなさんも家を買おうと検討したことある方はわかると思いますが、割安のマンションを見つけた!と思ったら定期借地権のマンションだった、という経験があるかと思います。
しかしこの定期借地権付きがどうしたこうしたって、なんのことやらと思う方もいるでしょう。
定期借地権とは
定期借地権という制度は、この1992年にスタートしました。
今はなにかとキリのいいタイミングですので、ポツポツと権利期間が終了する建物がでています。
定期借地権というのは、そのままの文字通り、決められた期間、地面を借りる、ということです。
借りるのだから、レンタル代を支払います。それを地代といいます。
そしてその期間が終了したら、土地は返却です。その際、建物をどうするかは借地権の結び方によって異なります。
この定期借地権ができる前も、もちろん土地をレンタルする、という考え方がありました。
しかしこれまでは、法律上は土地を貸す側よりも借りる側の方が有利な形になっていました。
そもそも土地を売り買いするという概念自体が、昔は曖昧でしたからね。
このあたり法改正をして、ちゃんと貸す側にしっかりと権利があるような形になりました。
この定期借地権の「定期」ですが、非常に長いんですね。一般定期借地権は、なんと50年です。
50歳でその契約をしたら、終了するころは100歳です。
こうなってしまうと、50年後にはなんの思い入れもない土地ということになります。
借りる側にとってもそうで、50年も経ったら、マンションや施設もどうなっているかわかりません。
一般定期借地権の場合は、土地をまっさらにして返却する必要があります。
そんな50年前の契約で、お互いにその契約を結んだ人は現役ではない状態で、この施設をまっさらにしろというの?という問題が20年後あたりからでてきそうな気もしますよね。
東京はこういった定期借地権の建物が比較的多いと言われています。そろそろ権利が切れるころを意識するようになっていきそうです。