メンタリストDaiGoさん発言に思うこと ~なぜ生活困窮者を税金で助けるのか、の答えと感じたズレ~


メンタリストDaiGoさんの件、いろいろと大きな問題になりましたね。

こちらのテーマについて、自分が感じたことも残しておきたいなと思います。

個人的に感じたズレ

今回個人的に気になったことは、ホームレス、生活困窮者を税金を使って助ける意味についてです。

今回のDaiGoさんの発言から、多くの反対意見が飛び出しました。

その多くはもっともな意見ではありますが、それら多くの反対意見は、DaiGoさんの素朴な疑問についての答えにはなっていないようにも思えるのです。

今回は生活困窮者を税金で助ける意味について、改めて考えてみようと思います。

もしかしたら心の底では、同じように自分たちが働いて稼いで収めた税金で、なぜ彼らを助けなければならないのか、と思っている人も多いのではないかなと思っています。

例えば自分のお子さんに素朴な疑問として同じ問いかけをされたら、みなさんはどのように回答されるでしょうか。

いつか自分もそうなるかもしれない、はズレている

今回の件で多く見受けられた意見として

「いつか自分もそうなるかもしれないでしょ」

というものがあります。

これはたしかにその通りです。多くのファンに支えられて摩天楼オペラのメンバーは今日、明日の寝床と食料の確保は可能ですが、なにかがあれば家も明日の食料もない状態になるかもしれません。

しかしなにかがあれば、というのはみなさんも同じことです。

なにか、というのはケースバイケースです。

音楽やめて働けよ、って声も聞こえてきそうですが、そういった精神状態じゃないかもしれませんし、そういった健康状態じゃないかもしれません。

なにか、は誰にでも起こり得ることです。

そのため、なにかが起きていない人が、なにかが起きてしまった人を助ける、ということです。

これはものすごく重要なことです。

しかし、DaiGoさんの持つ疑問に対する答えとしては、ズレているように感じます。

というのも、何かが起きた人を、DaiGoさんが助ける意味があるのか、という疑問の答えにはなってないからです。DaiGoさん風にいえば、関係ない人ですからね。

なので、関係ない人を助ける理由はどこにあるのか、ということをきちんと説明する必要があります。

社会のシステムに感情はいらない

先ほどの考え方は、ざっくりいうと助け合いの精神です。

困った人を助けて”あげる”というものです。

社会形成にはこういった助け合いの精神はとても大切です。

しかし、個人的にはそれはプラスアルファのものだと思っています。

〇〇してあげる、という、困っている人が下、助けてあげる人が上、という構図自体が、社会システムには不要なのです。

もっと言ってしまえば、社会のシステムに感情そのものが不要なのです。

感情とは、ときに厄介なものです。

みんなが「あいつ嫌い」と言えば、その人を排除することができてしまいます。しかしたとえ世界中の人に嫌われても、それが排除される理由にはなりません。

人間の歴史は「あいつ嫌い」で多くの人を排除してきた歴史でもあります。しかしこの200年で、時代は変わりつつあります。

感情はプラスアルファのものとしては重要なものです。しかし、こういった感情の高まりが社会に深く影響力を及ぼすと、よくないことも起きてきます。

今回の問題も、「生活に困っている可哀そうな人を助けて”あげる”」という感情要素を排除し考えていく必要があります。感情が絡む限り、助けたいという人もいれば、今回のように助けたくないという人も出てくる可能性があるからです。

少し別の切り口でこの問題を考えていく必要があると思います。

生活困窮者を税金で助ける二つのメリット

現在の日本のシステムでは、どうしても生活困窮者がでてきます。

完全に食料を配給制にするなどし、結婚や居住、仕事など全て国が管理するのであればかなり減るでしょうが、そうはいきません。

そのため、社会保障、さらには将来的にベーシックインカムについての議論も必要になります。

しかしそうなると、結果的に働いて稼いでいる人が、生活困窮者を助ける構図になります。

こちらについて、二つのメリットがあります。

一つは治安維持です。DaiGoさんは治安悪化について指摘されていましたが、逆です。

ベーシックインカムの実証実験では、生活への満足度向上、ストレス軽減という結果がでています。

生活に困っている人に保障がなければ、治安が悪化することになります。窃盗、食い逃げなど、生きていくために悪行を働く選択をする人も出てくることでしょう。

DaiGoさんが多くの税金を払い、そのお金が生活困窮者に渡ることで、DaiGoさんが安心安全に動画撮影でき、ますますお金持ちになる仕組みとなっているのです。

もう一つは経済対策です。DaiGoさんは自分にプラスにならないとバッサリいっていますが、だからこそでもあります。

これは生活保護をなぜもらう必要があるか、という話にもつながります。

世の中に仕事が減り貧乏人が増えるとします。お金がないので、物が買えません。

みんな物を買ってくれないので、商店で働く店員さんがクビになり、また一人貧乏人が増えます。

構図としてはこれだけです。貧乏人が増えると、ますます貧乏人が増えるのです。

ではどうしたらいいのか。貧乏人にお金を上げればいいのです。

お金があれば物を買えます。そうするとみんな物を買ってくれるので、商店はさらに雇用を増やそうとします。

すると、これまで仕事がなく貧乏人だった人は、仕事ができるようになり収入を得られます。

生活保護について、おそらくほとんどの国民は、生活に困った人を助けてあげる仕組みだと思っていることでしょう。表面的にはそうかもしれません。

しかし考え方を少し変えてみましょう。生活保護は、国民全体が貧乏にならないためにあるシステムです。貧乏人のためにある制度ではないのです。

たぶん「生活保護」っていう名前がよくないんだと思うんですけどね。言葉と仕組みを変えたほうがいいとは思います。

生活保護を受けると国に迷惑をかける…と受けない人もいるそうですが、受けないほうが国、国民に迷惑がかかるのです。生活保護をもらうのに遠慮はいらないのです!堂々ともらってください。そしてお金を使ってください。

多くの人が生活困窮から抜け出せれば、購買意欲も高まります。そうなるとWEB広告費も厚くなり、YouTubeの広告収入も上がります。DaiGoさんが多額の税金を納め、それが生活困窮者の手に渡ることで、DaiGoさんはさらにお金持ちになれる仕組みとなっているのです。

関係ないものはない

DaiGoさんは動画内で「関係ない」という言葉を使っています。これはDaiGoさんに関わらず、多くの人もよくこの言葉を使います。

しかし、この「関係ない」という言葉は、非常に危険な言葉だと思っています。今回の騒動で一番引っかかっているのはここかもしれません。

この世の中には、関係ないものはありません。

全てのものは常に変化をしながら、関わりあって存在しています。

諸行無常、諸法無我、この世の中の真理です。

このアヤノ.メでは「関係ないものはない」をモットーに、これからも幅広いテーマを扱っていきたいなと思います。