クリエイターはAIアートときちんと向き合うべき


つい先日もVoicyにてこちらの話題を取り上げましたが、進展もあったのであらためてこちらでも。

日本でスタートしたAIイラストサービスmimicに多くの批判が集まり、ベータ版の段階でサービス終了となりました、

イラスト生成AI「mimic」ベータ版の提供を終了へ 「不正利用を防ぐ仕組みが不十分だった」(ねとらぼ) – Yahoo!ニュース

mimicとは

このサービスはなかなか発想が面白くて、同じイラストレーターの絵を学習させることでその特徴を理解し、そのイラストレーターのAIが絵を描いてくれるというものです。

通常のAIイラストはこの世の中すべてのイラストを学習し出力しますが、これは特定のイラストを学習するということです。

規約では他人のイラストを学習させることは禁止しており、自分のイラストを学習させ、イラストレーターの制作の幅を広げるようなことを想定していたのでしょう。

しかし悪意を持ってこれを使った場合、他人のイラストの特徴を盗み自動生成することが可能ということもあり、多くの批判が集まりました。

これはたしかにそうで、この不正仕様を判別することはできず、運営側も考慮しサービスを止めたというところでしょう。

自分は長期的に見ればこういったサービスが登場して悪用されたとしても、イラストレーターにはむしろリスペクトが集まるという考え方をしています。(気になる方は先日のVoicyを)

しかし短期的にはそういったこともあるでしょうね。

こういう世の中になるのを受け入れるべき

今回は日本のサービスだったということで、一気に火が付き中止となりました。

しかしこれ、海外のサービスだったらどうでしょう。

技術的にはこういったことは可能で、なおかつ何をやってもOKというサービスが登場する可能性だってあるわけです。

これはイラストだけではなく、音楽、その他創作物でも同じことが言えます。

産業革命が起こり、一分の仕事は機械化されました。

その時も、イギリスでは工場の機械を壊すという運動が行われました。

しかしその結果、世界の機械化は止まったかというと、まったく止まっていません。

同じことが今起きています。

多くのクリエイターは、この状況を理解し、受け入れ、逆に活用していくべきなのです。

現在のAIアートときちんと向き合い、その中で自分がやるべき役割がなんなのかを考え、AIと共にいいものを作っていくべきなのです。

産業革命以降、多くの仕事はなくなりました。しかしそれは職が失われたのではなく、役目が変わったということ。

おそらく同じようなサービスは海外でも近日中に生まれ、海外はそういった技術を取り入れながらどんどん先へ進んでいきます。

※すでに中国でもサービスが存在していて話題になっています。

音楽でも同じようなものが登場するのは間違いなく、BGMなどはAIが作る時代はもう来ているといってもいいでしょう。

この状況を受け入れ、この時代だからこそのクリエイティブな活動を考え、実践していきたいものです。