石油の枯渇や地球温暖化の問題から、自然エネルギーへの転換が必要とされています。
クリーンなエネルギーを大量に確保するのは難しいという課題がありますが、新しいエネルギー源として核融合炉への期待が高まっています。
核融合と原子力の違い
「核エネルギー」と聞くと、危険なものというイメージが先行するかもしれません。
事実、原子力発電はチェルノブイリや福島のような大事故を引き起こした過去があります。
しかし、核融合と原子力は異なるものです。
原子力発電は、ウランなどの物質を分裂させてエネルギーを得る仕組みです。
一方、核融合は、原子核を融合させることでエネルギーを得ます。
実は、太陽がこの核融合を利用してエネルギーを生成しています。
地球上でも同様の現象を再現することが、核融合炉の目指すところです。小さい太陽をいっぱいつくる感じでしょうかね。
核融合の安全性とメリット
核融合のメリットは、その原料が海水など身近なものであること、そして放射線リスクが原子力発電に比べて低いことです。
また、原子力発電所のようなメルトダウンのリスクも存在しません。
これは核融合が外部からエネルギーを供給することで維持され、供給が止まれば反応も止まるためです。
それにもかかわらず、現状では核融合炉の設置には巨額の投資が必要であり、全面的な実用化はまだ遠い未来の話です。
一部の研究者は2030年代、あるいはさらに先の2050年代に実用化が可能と見ています。
小型化に成功すれば、新しい乗り物や施設での活用も視野に入るでしょう。
ちょっと夢のある話ですよね。
もちろん核融合研究の進展によっては、未知のデメリットが明らかになる可能性もあります。
より安全で、より持続可能なエネルギー源としての核融合が実現することを期待しつつ、今後の核融合研究の進展に注目していきましょう。