QUESTIONより:バンドマンはライブ映像をどうやって売るべきなのか?


QUESTIONより

ツアーファイナルのBlu-ray予約しました!しかしBlu-rayの再生機器を持っていません。 映画もネットで見る方がお手軽な近年、Blu-rayを利用するメリットはありますか?


おっしゃる通り、どのような形態で映像作品を出すべきなのか、実は頭を悩ませるポイントではあります。

今は選択肢が多い時代です。だからといって、生産コストを考えると、あれもこれもといかないところが現状です。

ブルーレイについて考える前に、映像作品の歴史を振り返ってみましょう。

ビデオテープの時代

販売用ビデオテープが登場し、映像作品を自宅で好きな時に楽しめるようになりました。VHSという形になったのは70年代後半です。同じ時期にソニーがベータマックスという規格を出してまして、同じ映像作品でもVHS、ベータと二種類が混在していた時期がありました。のちにVHSが主流となり、映像販売はVHSを中心に行われるようになりました。

今となっては驚きですが、レンタルビデオ屋さんにはDVDは置いてなかったんです。当たり前ですけどね。

DVDの時代

90年代後半にはDVDが登場しました。これまでの光ディスクはCDが中心で大容量のデータを入れることができませんでした。そのため、映像をCDに入れることは困難でした。アジア諸国など一部の地域では、CDに映像をいれたビデオCDなるものが流行していました。

ビデオテープはアナログなので、何度も見るとテープが擦り切れノイズが入ることがあります。DVDはデジタルなので、基本的にきれいな映像のまま残すことができます。また、利用している側としては巻き戻しの必要がないというのも楽です。そしてVHSに比べて薄く小さいというのも、収納する上で大切なことです。

VHSからDVDの移行は、2000年にプレイステーション2が販売され大ヒットし、プレイステーション2がDVDに対応していたため広がったといわれています。このあたりから、映像作品をゲーム機で楽しむという、これまでにない発想が登場しました。

Blu-rayの時代

さて、ブルーレイが登場したのは2002年のことです。しかし、たしかにDVDに比べると、Blu-rayの普及がそこまで進んでいないようにも思えます。実は彩雨さんもBlu-rayを家で見ることができるようになったのは4、5年前くらいかと思います。

映像メディアも発達しましたが、テレビも発達しました。以前はブラウン管でしたが、地上波デジタル放送が開始され2011年にアナログ放送が停波するという発表があり、一気にテレビの買い替えが起こりました。彩雨さんも実はこのタイミングである2008年にテレビの買い替えを行いました。当時はエコポイントというめっちゃ有能な制度がありまして、実質めっちゃ激安でテレビを買い替えることができたのを覚えています。

DVDと比べると、Blu-rayは圧倒的に解像度が違います。しかし、画質の良さだけがすべてではありません。手軽さも大事です。DVDでいい、と言われてしまえばそこまでです。レンタルビデオではDVDがまだ十分現役です。実はDVDのほうがBlu-rayよりも傷に強いというデータもあります。また、レンタルビデオで一度見れば十分、という人は画質にあまりこだわりがない人も多い、という話もあります。一方で、長期保存しておきたい、所有したいと思う人はBlu-rayを購入する傾向にあるそうです。

配信の時代

今は映画は配信の時代です。彩雨さんは自宅で見る映画は100%ネット配信になりました。もうしばらくTSUTAYAでレンタルしてないです。

配信の画質も、Blu-rayと同じというわけではありません。(※そういうサービスもあるかもしれませんが。)

しかし、それでも十分に楽しめるレベルであるとは思います。映像作品を購入するとけっこうな値段になりますが、配信だと期間限定ですが結構安く楽しめます。月額いくらで見放題というのも多いですしね。

ライブ映像を何で出すべきか

では、ライブ映像を何で出すべきか。この辺りは人によって考え方が違うところです。

見ることができる人数で考えれば、どこかの会社と手を組んで配信するのがいいかもしれません。また、Blu-rayよりDVDのほうが見ることができる人が多く、DVDで出すというのも手ではあります。

しかしこれは映像作品ということで、よりきれいな画質で見てもらいたいという思いから、今回はBlu-ray単独での販売になりました。再生機器を持ってない人もいることを承知でそうしてます。ただまぁ、これってバンドマンのエゴですよね。自分が他のバンドのライブ映像を見たいとき、別にそこまですさまじい画質へのこだわりがあるかといわれると、ないかもしれません。変な話ですね。

正直なところ、未来永劫Blu-rayがあるかというと、そんなことはないでしょう。一家に一台Blu-rayがある時代も、DVDのころと違いやってこないと思います。今はテレビ番組を録画するという概念は残ってますが、もしテレビ放送のシステムが放送と配信を織り交ぜた場合、テレビを録画するという発想自体がなくなることになります。過去の番組映像はアーカイブからネット経由で見ることになります。AbemaTVやDAZNはもうそうですしね。そうなるとレコーダーいらずです。

家でiPhoneなどで撮影した動画もデータで保存し読み込む時代、もはや何かに映像を記録するという発想自体が過去のものになるでしょう。

というわけで、ライブ映像を何で出すべきかというのは難しい局面にあるわけです。昔のように当たり前のようにDVDで出す時代のほうが楽ちんでしたね。Blu-rayは家で見らんないよ!って人は…ごめんなさいね!