教育現場のIT化を考える、徳島県のタブレット端末故障から学ぶこと


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今日は、徳島県の県立高校で配備されたタブレット端末の故障多発問題について考えてみたいと思います。

第1章:故障多発の概要

徳島県は、ギガスクール構想を受けて、中国のメーカー「CHUWI」から1万6500台のタブレット端末を調達し、2021年から県立高校で使用を開始しました。しかし、半数近くの端末が故障するという異常事態が発生しています。故障の原因は、主にバッテリーの膨張で、暑さが原因と考えられています。予備機を投入しても間に合わず、1台の端末を複数の生徒で共有するなどの対応を迫られています。

第2章:長期使用に耐えうる端末の必要性

この問題は、教育現場へのIT導入における課題を浮き彫りにしています。1人1台の端末を配備する以上、それらの端末は少なくとも数年間は使用に耐えうるものでなければなりません。高校であれば3年間、小学校であれば6年間は同じ端末を使い続けることになります。しかし、安価な端末を大量に導入した場合、故障のリスクが高まります。結果として、多くのゴミを生み出すことにもつながりかねません。

第3章:教育現場へのIT導入における課題

教育委員会の対応にも課題がありましたが、この問題の根本には、教育現場へのIT導入の難しさがあります。予算の制約上、高価な端末を大量に導入することは難しいでしょう。かといって、安価な端末では故障のリスクが高まります。OSのアップグレードに端末のスペックが追いつかず、パフォーマンスが低下することも避けられません。教育現場で長く使える端末を開発することは、メーカーにとっても大きな課題と言えるでしょう。

教育現場へのIT導入は、子どもたちの学びを豊かにする可能性を秘めています。しかし、そのためには、長期的な視点に立った端末の選定と、故障やトラブルへの備えが不可欠です。徳島県の事例は、全国の教育関係者にとって、重要な教訓となるはずです。子どもたちが安心して端末を使える環境を整備することが、私たち大人の責務ではないでしょうか。