音楽ストリーミングの次なるステージ – NFTとの融合が鍵を握るか


これはスタエフ配信の文字起こしをブログ化したものです。

世界の音楽産業、2031年に1,000億ドル到達 – 中国とグローバルサウスが成長を牽引

世界の音楽産業は成長を続けており、2031年までに音楽ソフトの売上高が1,000億ドルに到達すると予測されています。その成長を牽引するのがストリーミングサービスで、2031年には全体の3/4を占めるようになるでしょう。特に注目すべき市場は中国で、サブスクリプションサービスの利用者増加を背景に、2031年までに日本を追い越し、世界第2位の市場になると予想されています。

また、サブスクリプションサービスの契約者数は、2023年に7億3,790万人に達し、さらにインド、ブラジル、南アフリカなどのグローバルサウス市場の成長により、2027年には10億人を突破すると見込まれています。つまり、今後の音楽ソフトの売上増加は、主に中国とグローバルサウスの国々が牽引していくことになるでしょう。

ストリーミングサービスの売上が大半を占めるようになることから、1ユーザー当たりの平均売上高(ARPU)が業界にとって重要な指標になっていくと考えられます。

サブスクリプションサービスの未来と新たなビジネスモデルの可能性

現在、多くの音楽レーベルやアーティストがサブスクリプションサービスに参入していますが、一方で、あえてサブスクを選ばないという動きも出始めています。これは、売上確保を重視するレコード会社側の思惑と、サブスクリプションサービスの性質が噛み合っていないためだと考えられます。

世界全体で見れば、サブスクリプションサービスはこれからも成長を続けると予測されていますが、その一方で、次世代のビジネスモデルを模索していく必要があるでしょう。単にサブスクリプションサービスの普及だけでは、レコード会社やアーティストの収益が圧迫され、音楽業界全体が縮小していく可能性があるためです。

そこで注目されるのが、サブスクリプションサービスとNFT(非代替性トークン)を組み合わせたアイデアです。NFTを保有するユーザーだけがサブスクリプションサービスを利用できるようにすることで、希少性とサブスクの利便性を両立することができるかもしれません。

音楽業界は、今後も変化し続ける世界の状況に合わせて、新たなビジネスモデルを探求していく必要があります。2030年代、2040年代を見据えた時に、現在のサブスクリプションサービス一辺倒の形では立ち行かなくなる可能性が高いでしょう。業界の動向を注視しつつ、革新的なアイデアにも注目していきたいと思います。