PHS、携帯電話が世間に登場してから20年は経つと思います。その販売方法も契約もかなり独特のシステムで、とてもよくできた仕組みです。
2年縛りの実質ゼロ円とか違約金とか、携帯キャリアと携帯メーカーの関係性とか、こういう販売形態を考えた人は天才的だと思いますよ。
何にいくら払うのかわからせないのが一番
端末はいくら、電話代はいくら、と本来であればはっきりするはずのものですが、この20年間は端末がいくらなのか、電話代がいくらなのか、それが明確にされているようでされてない仕組みになっていました。もちろん契約上は端末がいくらと書いてあるわけですが、実際にいくら割引になって…といった具合に、毎月払っている金額のうち何パーセントが端末代なのか、ユーザー視点だと把握しにくいのです。ただ、これはとても大事なことで、ユーザーもなんとなくこの端末が無料で使えているような気にもなり、ずるずるとサービスを使い続けることができるのです。
もっとも、ほぼ独占状態の市場でしたし金額も横並びで、ユーザーとしては選択肢もない状態でしたけどね。
最近の4年縛りもなかなかよくできたシステムで、48ヶ月の分割払いなのに、25ヶ月以降に指定機種へ機種変更した場合、残りの支払いが免除になるものです。半額じゃん?ってなるのです。最初からユーザーに4年使わせることは考えてないわけで、2年以降に他社に切り替えさせにくいようにさせているのですね。
いろんな商売の仕方があるものです。
大事なことは、いかにユーザーを囲い込めるか、ということです。日本にはあらゆる業種がありますが、ここまでユーザーの囲い込みを意識している業種は少ないようにも思えます。
まさにユーザーは生かさず殺さず…参考にはしたくないですが、商売としてのやり方としては正解なのかもしれません。
どこまでメスを入れられるか
近年は格安スマホなど、大手三社以外の携帯キャリアも参入できる仕組みになりました。これまでは大手三社の独占状態をなんとなく容認してきたようにも思えた日本政府ですが、なんだかここ数年はSIMロック解除も含めてメスを入れ始めているように思えますね。
大手三社の政府へのゴマスリが上手くいってないところもあるでしょうが、近年は海外メーカーの参入も顕著で、携帯電話のグローバルビジネスとしては日本のスタイルは合わないということなのかもしれません。
ついに「違約金 全額負担」も、どうなる携帯電話の「2年縛り」「4年縛り」(BCN) – Yahoo!ニュース
記事にもありますが、違約金全額負担というサービスは、たしかに違約金というシステム自体が他社へ切り替えにくくさせていることを自任しているようにも感じます。
日本はこの20年間の歴史もありますし、完全にメスを入れるのは難しいかもしれません。どのように競争を促すことができるのか、政府の対応にも注目が集まりますね。