デジタル時代の別れ方 – 新しい終活のかたち


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。

デジタル社会の進展とともに、私たちの人生に関わる大切なデータや契約は、ますますデジタル化が進んでいます。その中で新たな課題として浮上してきたのが「デジタル終活」です。2025年2月から始まる新サービスを手がかりに、これからの終活の在り方について考えてみましょう。

デジタル遺品が抱える3つの課題

デジタル終活において、まず対応が必要なのが「デジタル遺品」の整理です。パソコンやクラウドストレージに保存された個人データの中には、大切な思い出から秘密にしておきたい情報まで、さまざまなものが含まれています。次に問題となるのが、サブスクリプションサービスの解約です。故人のクレジットカードから自動引き落としが続く状況は、遺族にとって大きな負担となります。さらに、仮想通貨や投資資産など、デジタル化された金融資産の相続も重要な課題です。特に仮想通貨は、パスワードがなければアクセスできないため、その資産が失われてしまうリスクがあります。

プロフェッショナルによる管理の必要性

これらの課題に対して、新たに登場したのがデジタル終活のワンストップサービスです。IDやパスワードを専門機関に預け、遺族の希望に応じて適切な処理を行うというものです。しかし、近年の金融機関での不正事件なども踏まえると、こうしたサービスへの信頼性の担保も重要な課題となっています。デジタル資産の管理をどこまで第三者に委ねるべきか、慎重な検討が必要です。

AIエージェントが描く終活の未来

将来的には、私たち一人一人に寄り添うAIエージェントが、デジタル終活の新たな担い手となる可能性も見えてきています。例えば、AIエージェントが故人のデジタル資産を把握し、サブスクリプションの解約や、デジタルデータの整理、資産の相続手続きまでをサポートするというシナリオです。さらには、故人との連絡に対して、「私は故人のAIです」と応答するなど、人々の思い出や関係性を新しい形で継承していく役割も期待されています。デジタル終活は、私たちの「想い」の引き継ぎ方にも大きな変革をもたらすかもしれません。