これはニュース読み配信の文字起こしをブログ化したものです。
インターネットとSNSの普及により、情報発信と消費行動のパターンは大きく変化しています。今回は、Z世代の飲食店探しの新傾向から、YouTube20周年の軌跡、そして意外にも積極的なSNS活用に取り組む宮内庁まで、デジタル時代の情報発信と活用法について見ていきましょう。
Z世代のSNS主導型消費行動
従来のグルメサイト離れが進むZ世代。彼らの飲食店選びは「Instagram(40%)」「Googleマップ(24%)」「食べログ(23%)」という順で利用されています。特にInstagramでは「渋谷 ランチ カフェ かわいい」といったキーワードで検索し、おしゃれな写真がアップされている店を見つけて訪問するというスタイルが定着しています。
この変化は飲食店側にも新たなビジネスチャンスをもたらしています。ある中華料理店では客がテーブル上の網棚にスマートフォンを置いて料理動画を撮影する姿が増加。また、赤字に悩んでいた「プランク&プラント」というお店は、窮状を伝える短い動画をSNSに投稿したところ「バズって」客足が回復するという事例も生まれています。
YouTube20年の成長史とメディア革命
2005年に設立されたYouTubeは、今や27億人もの月間利用者を持つ巨大プラットフォームに成長しました。この成功の背景には、2006年のGoogle買収と2007年のiPhone登場という二つの重要な出来事があります。
創業者の一人スティーブ・チェン氏は、特にGoogle買収後に導入された「広告収入を投稿者に分配する仕組み」が成長の原動力になったと振り返っています。広告収入は2010年の1200億円から2024年には5.4兆円へと爆発的に増加し、インターネット広告ビジネスのモデルケースとなりました。
一方で、偽情報拡散やコンテンツの無断投稿といった問題も顕在化し、メディアとしての責任が問われるようになっています。
伝統と革新の融合:宮内庁のデジタル戦略
意外にも積極的なデジタル戦略を展開しているのが宮内庁です。昨年からInstagramアカウントを開設し、皇室の活動を写真で発信。さらに、人気クイズ集団「クイズノック」とコラボレーションした謎解きイベントを皇居で開催するという新たな取り組みも予定しています。
15年ぶりとなるホームページの大規模リニューアルでは、大きな写真や360度パノラマ写真を導入し、視認性の向上を図っています。中高年が中心だった皇室ファンの層を若年世代にも広げ、皇室文化への関心を高めることが狙いです。
興味深いのはSNS選択の考え方で、ポジティブな反応が得やすいInstagramを選び、YouTubeやXなどネガティブな意見が目立ちやすいプラットフォームは現時点では避けているという戦略的判断です。
デジタル時代において、Z世代の若者から伝統ある宮内庁まで、あらゆる主体がSNSとデジタルメディアを活用した情報発信を模索している現状は、私たちの情報収集や消費行動の変化を如実に表しています。今後も進化し続けるデジタル環境の中で、効果的な情報発信と活用法を見極めていくことがますます重要になるでしょう。