翼強ければ国強し、日本は再び空を飛べるか


日本の製造業は世界一です。自動車や家電など、20世紀以降の人間の暮らしを豊かにする製品を多く輩出してきた企業の多くは日本から生まれました。

しかし、そんな日本が世界と勝負できなかった業種があります。それは飛行機です。

飛行機大国の日本

あまり知られていないことかもしれませんが、戦前の日本は飛行機大国でした。

「翼強ければ国強し」

なんてスローガンもあったくらいです。戦闘機だけでなく旅客航空機ももちろん作られており、サイパンまで片道235円、パラオまで375円という当時としてはすさまじい高額ではありますが、戦前には運航もされていたようです。

飛行機は1903年にライト兄弟が初めて空を飛んだ日から始まります。その後1914年には第一次世界大戦が始まりますが、そこではすでに飛行機が実用化されるなど、1900年代初頭はすさまじい勢いで飛行機が開発・成長した時期でもあります。

日本ももちろんこの飛行機競争には参加しており、1930年代に始まった日中戦争でも航空機が使われています。

その後の第二次世界大戦でも国産の航空機は多く実践投入されました。しかし敗戦によりGHQの支配下となり、日本が開発していた航空機開発のすべては中止・没収・破棄されることとなり、現在に至るまでの新たな航空機開発では世界と競争することができなくなりました。飛行機は軍事産業とも密接な関係にあるので、仕方ないことかもしれません。

日本製の飛行機が再び空を飛ぶか

現在は航空機メーカーの統廃合なども行われ、飛行機の大半がヨーロッパのエアバス社かアメリカのボーイング社のどちらかとなっています。昔はもう少しいろいろありましたが、やはり飛行機というのは開発費や運営費がかかるもので、なかなか飛行機製造を生業にするというのは難しいことなのかもしれませんね。

以前は日本でもYS-11という国産旅客機がありましたが、やはりもう開発・運航は終了しています。

現在、日本でも再び飛行機の製造業へ積極的な姿勢をとっている会社があります。それは三菱とホンダです。

三菱は戦前より軍事産業でも大きな成果を上げており、資本力もノウハウも持っている大企業です。三菱が開発している国産旅客機MRJはもうすでに受注をしており、数年後には実際にお客さんを乗せて空を飛ぶ段階まできています。しかし現在は納入時期延期や開発費の増大による債務超過など苦戦を強いられており、最近は心配なニュースが続いています。

ホンダはご存知の通り、バイクや自動車のメーカーです。こちらも20年ほど前から航空機開発への参入を表明し、すでに販売されています。ホンダが開発する飛行機”ホンダジェット”は、僕らが普段乗るような大型旅客機ではなく、小型のものです。

なので、個人で所有することも可能みたいです。

ホンダジェット世界一!富裕層が買うプライベート機はおいくら? | ZUU online

金額も450万ドルということで、宝くじを一発当てたら買えるくらいです。小型飛行機として世界的に有名なセスナがありますが、現在はセスナよりも売れてるなんて話もあります。

もちろん小型飛行機なので、一気に長距離運航はすることはできません。

ホンダジェットはもうすでに販売されているものですが、小型飛行機なのでなかなか一般人が乗る機会はなさそうです。ただ所有するのは無理でも、ビジネスジェットとしてANAも導入しており、海外を頻繁に駆け回る人なら乗る機会があるかも?将来的にホンダが大型旅客機へ参入するのかどうかわかりませんが、こういった小型飛行機が航空業界事情にもどのような影響を与えるのか興味深いところではありますね。

 

もう飛行機なんてしばらく乗ってないなー。海外に行きたい。