「バザールでござーる」は終了へ!国産PCを考える


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。

「バザールでござーる♪」。
このフレーズを聞いて、あのサルのキャラクターを思い浮かべることができる人は、きっと僕と同じ世代なんじゃないでしょうか。

NECの販促キャラクターとして、35年もの長きにわたり愛されてきた「バザールでござーる」が、2026年末をもって、その役目を終えることになったそうです。

俳優の財津一郎さんが声を担当していた、あのどこか気の抜けるCM。僕もよく覚えています。公式サイトでは今も壁紙やカレンダーがダウンロードできるみたいですが、一つの時代が終わるんだな…と、なんだか寂しい気持ちになりますね。

なぜ終了?背景にある、日本のPC事業の厳しい現実

では、なぜ35年も続いた人気キャラクターが、その役目を終えることになったのか。
その理由は、NECという会社の事業内容の変化にありました。

もともと「バザールでござーる」は、NECが個人向けの製品(B2C)をたくさん作っていた時代に、親しみやすさをアピールするために生まれました。でも、今のNECは、企業向けのビジネス(B2B)が中心になっています。そうなると、あの親しみやすいサルのキャラクターは、現在の事業イメージとは少し合わなくなってきた、ということなんでしょう。

そして、この話はNECだけの問題じゃない。僕は、日本のPCメーカー全体が直面している、厳しい現実の象徴のように感じています。

パナソニックや富士通も、今やかろうじて個人向けPC事業に残っている、というレベルじゃないでしょうか。
考えてみれば、僕らが今使っているPCのOSは、MicrosoftのWindowsか、AppleのmacOS。そのMicrosoftもGoogleも、今や自社でPC(SurfaceやChromebook)を作っています。そこに、デザインも性能も優れたApple製品や、安価で高性能な中国系のメーカーがひしめき合っている。

この厳しい市場の中で、日本のメーカーが個人向けPCで戦っていくのは、本当に難しい時代になったんだなと、改めて思います。

チラシを読みふけった、あの頃のワクワク感

このニュースを聞いて、僕は子供の頃のある記憶を思い出しました。
僕は昔から、家電量販店のチラシやパンフレットを、片っ端から集めて読みふけるのが大好きだったんです。特に、オーディオとパソコンのコーナー。

まだインターネットも普及していなかった時代、分厚いカタログが僕にとっての最新情報源でした。新宿や町田のヨドバシカメラに行っては、山のようなパンフレットをもらってきて、重たい紙袋を抱えて家に帰る。そして、それを隅から隅まで読み込むのが、何よりの楽しみでした。

当時のカタログには、NECをはじめ、日本のメーカーのPCがたくさん載っていて、本当に活気があった。「次に出るこのモデルはすごいぞ!」なんて、持ってないPCの情報にまでワクワクしていました。

「バザールでござーる」の終了は、単に一つのキャラクターがいなくなる、という話じゃない。僕らが子供の頃に見ていた、あのワクワクするような日本のPC業界の、一つの時代の終わりを告げる出来事なのかもしれない。

そんなことを思うと、少しだけ感傷的な気分になってしまいます。日本のPC業界がこれからどうなっていくのか、少し心配ですが、引き続き注目していきたいなと思います。