戸籍制度ってまだ必要?マイナンバー時代の家族のかたち


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。

第1章:戸籍とは何か―形骸化する本籍地の意味

現代の日本では、「本籍とはそもそも何か」と疑問に思う人が増えています。実際に本籍地として千代田区やディズニーランドなどを選ぶ人も現れ、本籍地の持つ意味が形骸化しつつあります。

戸籍制度は元々、日本が古くから実施してきた人口管理の仕組みです。この制度により、国は正確な人口統計や家族関係を把握することができました。しかし、この戸籍制度は大陸由来の制度でありながら、近年まで存続していたのは日本、台湾、韓国くらいだったとされています。そして韓国では約20年前に戸籍制度を廃止しました。

このような状況下で、私たちは戸籍制度の現代的意義について問い直す必要があるのではないでしょうか。形式的に維持されている制度が、現代社会においてどれだけの実質的な価値を持っているのか、検討する時期に来ているように思えます。

第2章:マイナンバー制度との重複と統合の可能性

戸籍制度の意義が問われる中、最も大きな問題として浮かび上がるのが、マイナンバー制度との機能重複です。マイナンバーカードによって国民総背番号制が実質的に導入され、国民管理がより厳格になった現在、戸籍情報をマイナンバーに統合することは技術的に十分可能ではないでしょうか。

親子関係や婚姻関係、出生・死亡記録など、現在戸籍に記載されている情報を全てマイナンバーに紐付けて管理することで、二重システムの非効率を解消できるはずです。将来的には、マイナポータルで自分の親族関係や家系図が確認できるようになれば、戸籍謄本を取り寄せる手間も省けるでしょう。

極論を言えば、SNSのような機能をマイナンバーシステムに組み込み、「この人はあなたの親戚かもしれません」というような通知が表示されるようなシステムも技術的には実現可能です。血縁関係の確認や家族のつながりを知るための手段として、より効率的なシステムが構築できるのではないでしょうか。

第3章:戸籍制度と社会的課題―夫婦別姓問題との関連

戸籍制度の存続は、現代日本における重要な社会問題とも密接に関連しています。特に注目すべきは夫婦別姓問題です。現在の戸籍制度が存在する限り、夫婦別姓の実現は技術的に困難な面があります。

夫婦別姓に賛成か反対かという議論以前に、戸籍制度という枠組み自体が夫婦別姓との両立を難しくしているという視点は重要です。もし戸籍という概念自体を廃止し、マイナンバーのような個人単位の管理システムに移行すれば、夫婦別姓は自然と可能になるのではないでしょうか。

保守層の中にも、戸籍制度の存続を強く主張する声がある一方で、時代に合わせて変化すべき部分と守るべき部分を区別する「話のわかる保守」も存在します。戸籍制度を擁護する理由として、外国人の「なりすまし」防止や先祖をたどる必要性などが挙げられますが、これらの機能はマイナンバー制度でも十分に代替可能ではないでしょうか。