これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
ダイソン球とは何か? 宇宙規模のエネルギー利用という夢
ダイソン球という言葉をご存じでしょうか。これは1960年代に物理学者フリーマン・ダイソンが提唱したアイデアで、要するに「星からエネルギーを効率よく取り出すための巨大構造物」のことです。太陽のような恒星は膨大なエネルギーを放っていますが、それを地球など別の場所で使えるようにしようという発想です。SF映画にも登場しそうな話で、現実感としてはちょっと遠い未来の技術のように感じますが、実は今後のAI社会を考えると、こうした壮大なエネルギー調達の議論が必要になってきているのです。
AI時代における電力不足と核融合、そして原発の再評価
現在、AIの発展とともに大きな課題となっているのが「電力不足」です。特に大規模言語モデルやデータセンターの運用には莫大なエネルギーが必要で、これまでの自然エネルギーだけでは追いつかない状況になっています。一部の海外企業では小型原発の開発や、電力会社との個別契約による安定供給を目指す動きも出てきました。日本でも原発に対する考え方の変化が見られ、以前は反対していた人も、「AI時代には電気が必要だから」と新たな視点を持つようになってきています。また、より安全で持続可能なエネルギーとして注目されているのが「核融合」です。水素同士をくっつけてヘリウムを作り出し、大量のエネルギーを得るこの技術は、実用化されればエネルギー問題に大きな打撃を与える可能性を持っています。
未来に向けてのエネルギーアイデアと日本の役割
他にも宇宙空間にソーラーパネルを設置して、そこでの発電を地球へ送るという計画も進められています。これらはすべて、AIや最先端技術を支えるために必要な電力をどう確保するかという問題に関連しています。OpenAIのサマルトマンなどがこうした話を取り上げるのも、そうした背景があるからです。ダイソン球のような壮大なアイデアはまだまだSFの領域ですが、人類の技術が進歩すれば、将来的には実現されるかもしれません。日本は科学技術立国でありながら、原発の老朽化や事故の記憶もあり、エネルギー政策には慎重です。しかし、核融合や再生可能エネルギーの研究など、新しい方向性への注目が高まっています。未来の社会を見据えながら、着実に技術開発を進めていくことが、これからの私たちの役割でしょう。