人間とAIをどう見分けるのか、AI時代のルール整備が必要な話


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです


チャットGPTでクレーム連発、マクドナルドから無料券をゲットした男

アメリカでとあるイギリス人の男性が、AIツール「ChatGPT」を使ってマクドナルドに次々とクレームを送り続け、その見返りとして無料食事券を大量に受け取ったというニュースが話題になっています。

彼がやったことはこうです:

  • ChatGPTを使って大量のクレーム文書を作成
  • それをマクドナルドに何度も送信
  • 企業側はクレームに対して誠意を見せ、無料食事券などの補償品を提供
  • 結果、彼は1年間ほぼタダでハンバーガーを食べ続けた

一見すると抜け目のない行動に思えますが、これは明らかにAIの悪用であり、「正しい使い方ではない」と言わざるを得ません。今後、類似のケースが日本や訴訟文化の強いアメリカなどでも増える可能性もあり、社会的にも大きな問題になりそうです。


人間かAIか? 今後は“相手の正体”を見極める必要が

この事件で注目すべき点は、マクドナルド側がそのクレームが本当に人間から来たものかどうかを判別できなかったということです。

AIが生成する文章はすでに人間のそれとほとんど区別がつかなくなっており、今後こうした「AIによるクレーム」「AIによる誹謗中傷」「AIによる攻撃的なSNSコメント」などが急増すれば、企業や個人は「相手が本物の人間なのか、それともAIなのか」を見極める能力が必要になってきます。

例えば以下のようなシーンを考えると:

  • SNSでの誹謗中傷
  • 政治的プロパガンダ
  • 消費者からのクレーム対応
  • 職場や学校内での情報拡散

AIが生み出すコンテンツは今後ますますリアルさを増していきます。それに対応するためには、「誰が書いたのか」「AIが関与しているのか」を判断できる仕組みや技術が求められるようになるでしょう。


AIネイティブ時代の「本人確認」の未来像

ではどうすればいいのか?
このままではAIによって「なりすまし」「偽情報」「詐欺行為」が横行してしまう可能性があります。そのため今後、社会全体で「人間である証明」や「AIかどうかの識別」が当たり前になるかもしれません。

たとえばこんなシステムが考えられます:

✅ ID認証とアカウント管理の厳格化

  • マクドナルドのクレーム窓口にアクセスするには「本人確認済みのアカウント」のみ許可
  • Twitter(X)やDiscordなどのSNSも「AIアカウント」「人間アカウント」を分ける表示機能を搭載
  • 複数アカウントの乱用を防ぐため、1人につき1つのアカウントのみ使用可能

✅ 生体認証による「ワールドID」の導入

  • 「ワールドID」のように、顔認証などで「本物の人間」であることを証明する仕組み
  • このような技術がSNSやサービスに統合され、「あなたは人間です」という証明がデジタル上で明確化される

✅ 国主導のマイナンバー制度との連携

  • アメリカでは渡航時にSNSアカウントの提出を求められるようにもなっており、国レベルでの監視が始まっている
  • 日本でも将来的に「SNSアカウント=マイナンバー」と結びつける動きが出てくる可能性がある

これらはプライバシーの観点から反対意見も多いかもしれませんが、AIが暴走する社会においては、ある程度の制限やルールが避けられないとも言えます。


AIが当たり前の世の中では「人間である証明」が必要になる

今回のマクドナルドの件は、AIの力を使った巧妙な“ただ飯テクニック”として笑い話にもなりますが、実は将来の社会を占う非常に重要な出来事です。

今後、AIが高度化していく中で、私たち一人ひとりが「相手が人間かAIかを見抜く力」を持ち、そして自分自身が「自分が人間であることを証明する仕組み」を持つ必要が出てくるかもしれません。

AIの進化とともに、社会のルールも変化していかなければならない——そんな未来が、もうすぐそこまで来ているのです。