夏休みは壮大な「プロジェクトマネジメント」の練習場


これはニュース読み配信の文字起こしをブログ化したものです。

「夏休みにあれを達成しよう!」と意気込んだものの、気づけば最終日…なんて経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。この「計画倒れ」現象について、行動経済学の観点から解説した記事を読みました。そこでは、「計画の誤謬(時間の見積もりが甘い)」「楽観バイアス(なんとかなると思いがち)」といった、人が陥りやすい4つの傾向が挙げられていました。

完璧な計画は不要。「走りながら修正する」のが僕のやり方

この記事では、計画倒れを防ぐための対策も紹介されていました。しかし、正直なところ、僕はそのいくつかに「本当にそうだろうか?」と首を傾げてしまいました。

例えば、「未来の計画を最初から最後まで細かく立てましょう」という提案。僕に言わせれば、未来のことなんて誰にも予測できないのだから、細かく計画を立てるだけ無駄です。ガチガチにスケジュールを固めてしまうと、予期せぬ出来事が起きた時に対応できず、「計画通りにいかない」こと自体が大きなストレスになってしまいます。

記事では「計画を立てずに突っ込むのは良くない」というニュアンスで書かれていましたが、僕のやり方はまさにそれです。まず、計画を立てずに突っ込んでみる。もちろん、最初はうまくいきません。しかし、その「うまくいかない」という経験の中で、どうすればうまくいくかを考え、軌道修正を重ねていく。大切なのは、完璧な計画を立てることではなく、ゴールさえ見失わなければ、あとは状況に応じて柔軟にやり方を変えていく「修正能力」の方ではないかと思うのです。

夏休みは壮大な「プロジェクトマネジメント」の練習場

話は変わりますが、僕は「夏休み」という期間は、子供たちが非常に重要なスキルを学ぶ絶好の機会だと考えています。それは、「長期的なプロジェクトを管理する能力」です。

普段、子供たちは目の前の宿題や部活、遊びといった短期的なタスクに追われ、1ヶ月という長いスパンで物事をコントロールする機会はあまりありません。しかし、夏休みは違います。「宿題をすべて終わらせる」「友達とたくさん遊ぶ」「何か新しいことに挑戦する」といった複数の目標を、約40日間という期間内に達成しなければならない。

これは、まさに一つの壮大な「プロジェクト」です。そして、夏休みを過ごす子供たち一人ひとりが、その「プロジェクトマネージャー」なのです。自分の夏休みというミッションを、いかに満足度の高いものにするか。計画を立て、日々のタスクをこなし、時には計画を修正しながらゴールを目指す。この経験は、大人になって仕事をする上でも必ず役立つ、かけがえのない練習になるはずです。

僕自身の「夏のプロジェクト」

僕自身には「夏休み」という概念はありませんが、常に何かしらのプロジェクトを抱えて生きています。今年の夏で言えば、まずは野音ライブをやり遂げることが一つの大きな目標でした。そして、それが終わった今は、溜まっていた仕事を一つひとつ片付けながら、次の目標に向かって動いています。

具体的には、8月末に音楽作品「ネオン」の新作をリリースします。そのための楽曲制作やMVの準備も、まさに今佳境です。それが終われば、次は10月の「ブラックキャットハロウィン」に向けた企画、そしてその先には、また次のネオンの制作が待っています。10月はワンマンライブが4本も控えているので、正直、どうやって時間を捻出するか頭を悩ませていますが、それもまたプロジェクトマネジメントの醍醐味です。

記事では、計画倒れしやすい傾向の一つとしてADHDが挙げられていましたが、僕もおそらくその気質があると思います。でも、人にはそれぞれ得意なことと苦手なことがあります。大切なのは、自分の特性を理解した上で、自分なりのやり方を見つけていくこと。僕にとっては、それが「走りながら考え、修正していく」というスタイルなのです。

この夏、皆さんも何か目標を立てているでしょうか。もし計画通りにいかなくても、焦る必要はありません。ゴールを見失わず、自分なりのやり方で、最高の夏というプロジェクトを完遂させてください。