これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
AIで誰でも「フィギュア化」?バンダイの注意喚起が示す、著作権の”当たり前”
1枚の写真を元に、まるで本物のフィギュアのようなリアルな画像を生成する「AIフィギュア化」が、今SNSで大きな流行を見せています。GoogleのAI「Gemini」が公式にその方法を紹介したこともあり、自分の子供やペットをフィギュア風にした画像を投稿する人が後を絶ちません。
バンダイが注意喚起。その理由は?
しかし、この流行に対し、大手玩具メーカーのバンダイが注意喚起を行いました。その理由は、SNSに投稿された画像の中に、バンダイのロゴを無断で使用したり、同社が権利を持つアニメキャラクターなどを勝手にフィギュア化したりする事例が多数見られたからです。
「ガンダムの未発売モデル」といった架空の商品画像が、まるで本物であるかのように拡散されれば、ファンは混乱しますし、悪用されれば詐欺につながる危険性すらあります。メーカーとして注意喚起するのは、当然の対応と言えるでしょう。
問題は「AI」ではなく「著作権」
このニュースを見て、「やっぱりAIは危険だ」と感じた人もいるかもしれません。しかし、僕が声を大にして言いたいのは、この問題の本質はAIではない、ということです。
そもそも、他人が権利を持つキャラクターのイラストや、芸能人の写真を、許可なくインターネット上にアップロードする行為そのものが、著作権や肖像権の侵害にあたります。これは、AIが登場するずっと以前からの、インターネットにおける”当たり前”のルールです。
しかし、日本では「二次創作文化」という名の下に、そのあたりの感覚が少し麻痺してしまっているように感じます。最近SNSで流行している、芸能人の若い頃から現在までの写真をAIで繋ぎ合わせた動画。あれも、多くのインプレッションを稼いでいますが、厳密に言えば権利侵害です。
「バズるから」で許されるのか?
AIを使えば、誰でも簡単に、人々の目を引くコンテンツが作れてしまう。そして、それが「バズる」ことで、承認欲求が満たされたり、広告収入に繋がったりする。その魅力は、僕にも理解できます。
しかし、「バズるから」「面白いから」といって、他人の権利を侵害していい理由にはなりません。
自分の写真や、自分が権利を持つオリジナルキャラクターをフィギュア化して楽しむのは、素晴らしいことです。しかし、他人のふんどしで相撲を取るような行為は、絶対にやめるべきです。
AIは、私たちの創作活動を豊かにしてくれる、素晴らしいツールです。そのツールを、一部の心ない人々のために、悪いイメージで染めてしまうのは、あまりにも悲しいことだと思いませんか?