これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
海外で、リモートワーク中にカメラをオフにしていた男性が、会社を解雇された、というニュースがありました。詳しく読んでみると、その会社では、業務時間中はずっとカメラをオンにし、さらにPCの画面共有までするのがルールだったそうです。
これは、もはや「働き方」というより、「監視」ですよね。
おそらく、コロナ禍で急遽リモートワークを導入したものの、社員がサボるのではないか、と疑心暗鬼になった経営者が、苦肉の策として考え出したルールなのでしょう。
コロナ禍のリモートワークは「失敗」だった
僕は、コロナ禍で世界中が一斉に導入した、あの大規模なリモートワークは、ある意味で「失敗」だったと考えています。
本来であれば、10年以上かけて、社会やテクノロジーの成熟と共に、ゆっくりと浸透していくべきだった働き方の変革。それを、パンデミックという未曾有の事態によって、わずか数ヶ月で無理やり実現させようとした。そこに、歪みが生まれるのは当然のことです。
あの時の私たちは、「現実の働き方を、そのままデジタルの世界に置き換える」ことしかできませんでした。それは、真の「デジタルトランスフォーメーション(DX)」ではありません。単なる「デジタル化」に過ぎなかったのです。
僕らが目指すべき、本当のリモートワークとは
では、僕らが目指すべき、本当のリモートワークとは何でしょうか。
それは、テクノロジーの力を借りて、働き方の「構造」そのものを変えていくことです。
現実のオフィスでの働き方を、オンラインに置き換えるのではない。オンラインだからこそできる、全く新しい働き方を、ゼロから構築していく。それが、真のDXであり、本当のリモートワークだと僕は考えています。
その具体的な形は、まだ誰にも分かりません。もしかしたら、VRやARといった技術が、その鍵を握るのかもしれない。あるいは、AIが、人間同士のコミュニケーションを、もっと円滑にしてくれるのかもしれない。
2020年代前半の「失敗」を教訓に、これから私たちは、本当の意味でのリモートワークの形を、もう一度、じっくりと探していくことになるでしょう。
それは、単に場所を選ばずに働ける、というだけではない、もっと自由で、もっと創造的な働き方の未来だと、僕は信じています。