これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
ロッテが、自分の顔写真をビックリマン風のキャラクターに加工できる公式サービス「ビックリマンAI名刺メーカー」を、期間限定で提供すると発表しました。
AIを使って自分の顔写真をビックリマン風に加工する、という遊びは、これまでも色々な人が試してきましたよね。でも、それを「公式」が、しかも自分のキャラクターと「スーパーゼウス」のような公式キャラを並べて名刺にできる、という形で提供してくれた。ここに、僕はめちゃくちゃ大きな意味があると思っています。
「公式がやる」ことの、とてつもない価値
考えてみてください。
もし僕らが、勝手にAIを使ってスーパーゼウスの画像と自分の画像を合成してシールを作ったら、それは著作権的にアウトですよね。でも、このサービスなら、それが「合法」でできちゃう。これって、ファンにとってはめちゃくちゃ嬉しいことじゃないですか。
そして、この「公式がやる」という行為は、ロッテ側にもとてつもないメリットをもたらします。
- 違法な二次創作を減らせる: 公式が楽しい遊び場を提供することで、ファンがわざわざ違法なツールを使う必要がなくなります。
- IP(知的財産)の価値が上がる: このサービスが流行れば、みんながこぞって自分のビックリマン風キャラをSNSに投稿するはず。それを見た若い世代が「このキラキラしたシール、何?」「スーパーゼウスって誰?」と興味を持つきっかけになり、結果として「ビックリマン」というIPの価値が、さらに高まっていくんです。
これこそが、これからのIPビジネスの一つの「勝ち筋」なんじゃないか。僕はそう感じています。
ディズニーも同じ戦略?AI時代のIPビジネスのあり方
このロッテの試みを見て、僕の頭の中では「他のIPでも応用できるんじゃないか?」というアイデアが、次々と浮かんできました。
例えば、一時期、画像生成AIで「ジブリ風」のイラストを作るのが世界的に流行りましたよね。あの時、もしスタジオジブリが公式に「あなたの写真をジブリ風にします!」みたいなサービスを提供していたら、どうなっていたでしょう。(まあ、ジブリはそういうことをする会社じゃないですけどね)
でも、この戦略をまさにやろうとしているのが、先日OpenAIと提携したディズニーです。
ディズニーは昔から、厳しいライセンス管理のもと、様々な企業に自社のIPを使わせて、その価値を世界中に広めてきました。スーパーに行けば、ディズニーキャラクターのお菓子が当たり前のように売っていますよね。
今回のOpenAIとの提携も、その戦略の延長線上にあるはずです。
世界中の人が、AIを使って「公式に」ディズニーキャラクターの動画や画像を生成し、SNSに投稿する。そうなれば、ディズニーのIP価値は、今よりもっと、とんでもなく強固なものになる。
違法な二次創作をただ取り締まるのではなく、公式が「安全で楽しい遊び場」を提供することで、ファンを巻き込み、IPの価値をさらに高めていく。
このロッテの「ビックリマンAI名刺メーカー」は、そんなAI時代の新しいIPビジネスのあり方を、僕らに示してくれたような気がします。期間限定なのがもったいないくらい、本当に素晴らしい試みですよね。僕も絶対に作ってみようと思います!