これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
「AIを使うことが悪という印象を作ってしまっては、現代のデジタルテクノロジーの発展が大きく遅れることになりかねない」
これは、レベルファイブの日野晃博社長が、自身のXで述べた言葉です。
レベルファイブがゲーム開発に生成AIを活用していると公表したところ、一部から批判的な声が上がり、それに対して自身の考えを表明した、という経緯です。
このニュースを見て、僕は「全くその通りだ」と強く思いました。そして同時に、日本のクリエイティブ業界が抱える、根深く、そして非常に危険な問題点を、改めて感じずにはいられませんでした。
みんな知らないだけで、もうとっくに「当たり前」なんです
「ゲーム開発にAIなんて使うな!」「クリエイターの仕事を奪うな!」
こういう意見、本当によく見かけますよね。海外のインディーゲームのアワードで、AIを使用していたことが発覚して受賞が取り消された、なんていう話もありました。
でも、はっきり言います。
皆さんが思っている100倍、クリエイターはAIを使っています。
僕の周りにもゲーム会社の知り合いはたくさんいますが、大手だろうが中小だろうが、みんな当たり前のようにAIを活用しています。
それを公表しているか、していないか。ただそれだけの違いです。
今の日本で、正直に「うちはAI使ってます」なんて公表したら、今回の日野社長のように、SNSで叩かれるリスクがある。だから、賢い企業やクリエイターは、黙って、こっそり、うまくAIを活用しているんです。
音楽業界だって同じです。僕も2022年から「AI使ってます」と公言しているからこういうスタンスですが、口が裂けても言わないミュージシャンなんて、山ほどいますよ。映像作家も、イラストレーターも、みんな同じです。
「AI悪者論」が、日本を周回遅れにする
問題なのは、この「AIは悪だ」という風潮が、日本のクリエイティブ業界全体の足を、ものすごく引っ張っているという事実です。
「SNSで炎上したら面倒だから、うちの会社ではAIの導入はやめておこう」
そんな、後ろ向きな判断をしてしまう企業が、実際に出てきているんです。
その間に、世界、特に中国なんかは、国を挙げてAIをフル活用し、とんでもないスピードで進化しています。
AI黎明期は、まだそのクオリティも低かったから、「AIなんて使っても、たかが知れてる」なんて言えました。でも、今はもう違う。この1、2年で、日本と世界の差は、絶望的なまでに開いてしまうかもしれません。
日野社長がおっしゃるように、AIを使えば、今まで5年、10年かかっていたAAA級の超大作ゲームが、2年で作れるようになるかもしれない。僕らが遊びたいゲームが、もっと早く、もっとたくさん世に出るようになるかもしれないんです。
その可能性の芽を、「AIは悪だ」という感情論だけで、本当に摘んでしまっていいんでしょうか。
オセロがひっくり返る、その日を信じて
もちろん、否定的な意見が出る気持ちも、分からなくはありません。でも、その感情論が、日本のクリエイティブの未来を、自らの手で閉ざしていることに、そろそろ気づくべきです。
まあ、毎回言ってますが、日本人って、一度「これだ!」となると、オセロの盤面が一気にひっくり返るように、ものすごいスピードで変化する国民性だとも思っています。
今はまだ、その時じゃないのかもしれない。
でも、一日も早く、その「オセロがひっくり返る日」が来ることを、僕は心から願っています。