これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
「AIが、誰もが働かずに食べていける国を作る」
こんなタイトルの記事が、最近話題になっていました。
これは、「ベーシックインカム」という考え方についての話です。
ベーシックインカムとは、国が国民一人ひとりに対して、生活に最低限必要なお金を無条件で支給する制度のこと。言ってしまえば、「全国民、生活保護」みたいな状態ですね。
「そんな夢みたいな話、財源はどうするんだ!」って思いますよね。
僕がこの考え方にたどり着いた時、一つの結論がありました。それは、「ベーシックインカムが本当に現実味を帯びてくるのは、AIが本格的に台頭してからだ」ということ。
そして今、まさにAIの時代がやってきた。
数年前まではSFの世界だったベーシックインカムが、少しずつ、でも確実に、僕らの未来の選択肢として姿を現し始めているんです。
「働かないでください、お金はあげますから」
じゃあ、なぜAIがベーGシックインカムを可能にするのか。
それは、AIが人間よりも、圧倒的に効率よく働いてくれるようになるからです。
産業革命の時も、機械が人間の仕事を奪うと言われましたが、結局、僕らは働き続けていますよね。でも、AI革命は、それとは次元が違うかもしれない。
いずれ、こんな時代が来ると思うんです。
人間が下手に手伝うと、むしろ効率が悪くなる。だからAIが僕らにこう言うんです。
「人間さん、申し訳ないんだけど、働かないでもらっていいですか?お金はちゃんとあげますから。あなたはあなたの好きなことをやっていてください。仕事は我々がやっておきますので」と。
僕らはAIから、ある意味で「お払い箱」にされるわけです。
働かなくなった人間は、ディストピアに堕ちるのか?
「人間が働かなくなったら、社会は堕落して終わる」
そんなディストピアを想像する人も多いかもしれません。
でも、僕はそうはならないと思っています。
人間って、やることがなくなったらなくなったなりに、新しい「何か」をやり始める生き物だと思うんです。
僕の小説『AIバンド・バンド・クライゴウ』の世界では、ベーシックインカムによって、人間は労働から解放され、それぞれが本当にやりたいことを見つけて、自由に生きています。
一方で、その社会で人間と同じように暮らすアンドロイド(AI)たちは、悩みを抱えています。
「自分たちは、一体何をしたいんだろう?」と。
彼らは、人間の真似をして「好きなこと」を探し始めます。それこそが、物語の大きなテーマになっていくのですが…。
この話が示唆しているのは、「働くこと」がなくなった時、僕らは「人間とは何か」「人間らしい生き方とは何か」という、もっと本質的な問いと向き合うことになる、ということです。
朝から晩まで、やりたくもない仕事に追われる毎日。僕らが本当に目指したかった社会って、本当にこれだったんでしょうか?
ベーシックインカムの議論は、僕らにそのことを、もう一度考えるきっかけを与えてくれるはずです。
もちろん、この未来が訪れるのは、今すぐじゃありません。僕が生きている間に実現するかどうかすら分からない、数十年単位の壮大な話です。
でも、AIというテクノロジーの登場によって、僕らはその入り口に、確かに立ったんだと思います。
ただの夢物語ではなく、現実的な未来の選択肢として、この「働かなくていい国」について、皆さんも一度考えてみてはいかがでしょうか。