これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
こんにちは。
今日は、現代の教育現場における大きな課題、「大学のレポートや課題で、約36%の人がAIを使ってそのまま提出したことがある」というニュースについてお話ししたいと思います。
教育現場のAI問題と「自己申告」の限界
この問題は大学に限った話ではなく、小学生の読書感想文や夏休みの宿題からすでに始まっています。
昔は「ネットに転がっている文章をコピペして提出する」という問題がありましたが、それももうAIに取って代わられました。コピペであれば学校の先生(あるいは専用のチェックツール)がある程度見抜くことができましたが、AIが生成した文章を「100%見抜く」ことは、現状の技術でも人間の目でも不可能です。
私自身も大学で教えていますが、学生のレポートを読んで「これはAIが書いたな」と完全に見抜くことはできないと、授業でもはっきりと伝えています。
そもそも、社会に出れば大人たちは皆、AIを使って資料をまとめたりプレゼンを作ったりしている時代です。「大人にはAIを使えと言っているのに、学生には使うなと言う」のは、いささか矛盾している気がしますよね。
だからこそ、学校側が意識を変え、評価のアプローチを変えていかなければならない時期に来ているのだと思います。
「喋らせること」こそが究極の理解術
そこで、今年の秋(10月頃)から始まる次の授業で、私なりの「AI時代における新しい評価アプローチ」を試してみようと考えています。
それは、「学生にまず喋らせて、その音声データ(または文字起こし)とともにレポートを提出させる」というものです。
例えば、
「AIに原稿を書かせて、それをただ朗読して録音する学生もいるんじゃない?」
というツッコミもあるでしょうし、確かにそうする学生もいるかもしれません。しかし、たとえAIが書いた原稿であっても、「自分の口で声に出して喋る」という行為を挟むことで、内容への理解度は確実に上がります。
私が考える理想の流れはこうです。
まず、テーマについて自分が思うことを「口に出して喋る(ボソボソでも、たどたどしくてもOK)」。
次に、その音声を文字起こしし、それをベースにしてAIに「綺麗なレポートにまとめて」と指示を出す。
そして、AIが整えたレポートを読み直すことで、さらに頭の中を整理する。
普通は「プレゼン資料(レポート)を作ってから、それをもとに喋る」という順番ですが、私は「まず初めに言葉(喋り)ありき」だと思うのです。
AIと人間力を掛け合わせるプロセス
この「まず喋って、それをAIにまとめさせる」という手法は、学生に限らず社会人の皆さんにも強くおすすめしたいアプローチです。
仕事で新しい企画書やスケジュールを作らなければならない時、いきなり綺麗な文章を書こうとすると手が止まってしまいますよね。
そんな時は、スマホの録音機能や文字起こしアプリを使って、適当でいいので「ああして、こうして、こういうことがやりたい」と、誰かに電話で話すような感覚で喋ってみてください。私のこの音声配信も、実はそうやって喋りながら頭の中を整理しています。
その文字起こしデータをAI(ChatGPTやClaudeなど)に突っ込んで、「これを企画書として綺麗にまとめて」と指示すれば、あっという間に立派な資料が完成します。
このやり方の最大のメリットは、「資料の形はAIが作ったものであっても、そこに込められた意図や意思は100%自分のものである」ということです。
だからこそ、後で上司や取引先に「この企画について説明して」と言われた時も、自分の言葉をベースにしているため、自分の言葉で自信を持ってパッと説明することができるのです。
本質的な「人間力」が問われる時代
大学の授業で「安易にAIを使うのはダメだ」と禁止するのではなく、この「自分の言葉(意思)をAIを使ってブラッシュアップする」というプロセスを、学生のうちにぜひ体験してほしいと思っています。
これからの時代に求められる「AI人材」とは、ただAIを使って「それっぽいもの」を量産するだけの人間ではありません。
AIがあろうとなかろうと、自分の頭で考え、自分の言葉で伝えられる「本質的な人間力」を持った人が、最終的には一番強いのです。
他の先生方にはそれぞれの方針があるので口出しする筋合いはありませんが、私は私の授業で、こうしたAIの健全な使い方と人間力を磨く体験を提供していきたいと思っています。
今日は、学生のAI利用に関するニュースから、AI時代のアウトプット術についてお話しさせていただきました。