2019年現在、世界が抱える懸念の一つが、アメリカと中国の関係です。
別にいきなりミサイルを打ち合うような戦争になるとかそういう話ではありませんが、技術的にも経済的にもグイグイと力を伸ばしている中国が、アメリカにとって驚異となっていることには代わりありません。
徐々に緊迫しつつある両国間の政治的な関係性の中で、ついにアメリカが中国からの全輸入品に対し25%の関税をかけることを発表しました。
日本にとって無関係ではない話
アメリカと中国の話ですから、日本人にとっては関係ない話のようにも思えますが、そうではありません。
みなさんの生活にも直結する話です。
アメリカが中国からの輸入品に高い関税をかけるということは、アメリカで買う中国製の製品が単純に値上がりする、と考えることができます。
中国製は安価が売りなところもありますので、そのメリットを活かしにくくなります。中国企業にとってはもちろん打撃ですが、それだけではなく、中国で生産している日本を始め世界中の製造業にとっても打撃です。例えばメイドインチャイナのユニクロの服をアメリカで売るのにも、その関税がかかるということです。
iPhoneが値上がりする可能性
この話は世界中の企業に共通し、極端な話、アメリカの企業にとってもそうです。
実際にiPhoneは、その部品の多くを中国に依存しています。
それらにも関税がかかるので、純粋にiPhoneを作るための仕入れ値が上がってしまうのです。
中国に対する制裁なのにアメリカの企業が被害を受けるというのも変な話ではありますが、経済というのはそれだけグローバル化しているということなのです。
関税によるiPhoneの値上がりを防ぐためには、部品調達を中国ではなく別の国へ依存する方向へシフトするしかありません。しかしそれは簡単にできることでもありません。
トランプ大統領はアップルをはじめ、国内企業はできるだけ国内で生産をしてほしいと考えているようですが、人件費などを考えてもそうもうまくはいかないでしょう。
政治的な国際関係、経済的な国際関係、このあたりのねじれをどう解決するかが今後の世界の課題となります。
それにしても、世界中から高い高いと言われているiPhoneですが、こういった別の問題からさらに値上がりするリスクを抱えることになりました。
今年の秋には新作が発表されるわけで、これから多くの噂がリークされる時期になります。
Googleは値段をぐっと下げた端末を発表しましたが、APPLEはどう動くでしょうか。