QUESTIONより:鹿島アントラーズも!なぜIT企業はスポーツチームを持ちたがるのか


QUESTIONより

彩雨さんこんばんは。 おそらく質問しなくても話題に上るだろうと思うのですが、 メルカリの鹿島アントラーズ買収についてお願いします。


メルカリはフリマのサービスだけではなく、そこからメルペイといったQRコード決済も始め、日本中のIT企業の中でもグイグイきているイメージはあります。

買収もあり得そうな話ですが、アントラーズとはちょっと意外でしたね。

というのも、アントラーズを買収するのに使った金額は16億円という少なさに驚きました。

イニエスタの年俸の半分ですからね。神戸がいかに金があるかという話ですが。

鹿島アントラーズは強いですし、関東のチームでここまで安いとなればかなりお買い得感はあります。

スポーツチームを持つということ

昔は、スポーツチームを持つというのは、ある種の金持ちの道楽的なところもありました。

チームを持っているだけで赤字は当たり前、もはや慈善事業のような感覚でチームを持っていたところも少なくないでしょう。

プロ野球なんかはまさにそうで、あまりにも赤字経営が続くことから、チームをたたみストライキ問題へと発展するほどの騒動になったこともあります。

日本の景気が良かったころは赤字でも気にしなかったんでしょうけど、今はさすがにそういうわけにもいきませんね。

また、やはりプロスポーツと社会人スポーツは根本的に構造が違います。

Jリーグなんかは特にそうですが、社会人チームの名残りでそのままスポンサーをやっているところは、企業にとってもチームにとっても苦しい一面もあるようです。

今回、日本製鉄が鹿島アントラーズを手放した経緯の記事を見ると、やはりプロ化としての競争の厳しさをうかがうことができます。

Jリーグ発足時のスポンサーがそのまま今も継続しているチームは少ないです。マリノスでさえ、胸は変わらずの日産自動車ではあり株の比率としてもやはり日産自動車ではあります。しかし、実際の経営やマネジメントの多くは比率第二位の株主であるシティ・フットボール・グループがやっています。

IT企業とスポーツチーム

サッカーに関してはプロ化が歴史上ずっと後だったので、社会人チームがそのままプロになるケースが多かったです。

そんなこともあり、昔は日本の産業は鉄鋼業や自動車、電機メーカーがとにかく強かったもので、日本のスポーツチームはこういったメーカーが持つことが多かったですね。

野球に関しては必ずしもそうではありませんでした。

近年は野球もサッカーもIT業界がよくスポンサーになっています。これは世界ではどうかというと、マイクロソフトやAmazon、Googleなどはスポーツチームを持ってないと思うので、日本だけの特徴なのでしょうか。

その中でもソフトバンクと楽天の参入は早かったですね。のちにDeNAも参入します。サッカーでも今回のメルカリだけではなく、近年はサイバーエージェントも参入しました。もちろん楽天もあります。

IT業界がここ近年好調というのも理由でしょうが、それだけが原因ではなさそうです。

若手の起業家だけあり、赤字だらけのスポーツ運営をうまくかじ取りして黒字化を次々と成功させています。

また、もともと持っているIT関連ビジネスとスポーツの相性がそもそも悪くない、というところも利点でしょうね。ベイスターズやソフトバンクは、今のようにネット中継が当たり前になる前のころから、積極的にネットを使った試合映像配信を行っていました。

今後はARやVR、さらには5G通信など、まだまだスポーツ中継に活かせそうな技術が次々と投入されることでしょう。

以前はZOZOの前澤社長も野球チームを持ちたいという発言もありましたし、サッカーに関してはJ3まで多くのチームが存在します。まだまだ新進気鋭のIT起業家はたくさんいますので、買収劇ももうちょっと続くかもしれませんね。