仮想通貨というと、投機目的のイメージが強く、その急激な乱高下の価値などもあり、ネガティブなイメージを持つ人も多いかと思います。
自分も投機対象としてはちょっとそういう気持ちもあるんですが、ブロックチェーンの可能性についてはかなりあると思っています。
2020年代はブロックチェーンの時代
インターネットが登場し、21世紀最初の大発明はこのブロックチェーンではないか、という声もあります。
細かい技術的な話はしませんが、ブロックチェーンというのは早い話がとても信頼性の高いデータ処理、という認識でいいと思います。
仮想通貨というと高額な金額が盗まれたりという事件もあり、その信頼性について疑問視する声もあるでしょうが、これはあくまで仮想通貨を管理している業者の問題であり、ブロックチェーンという仕組み自体の脆弱性かというと、そうは必ずしも言い切れません。
データをどこかで誰かが管理するのではなく、ブロックチェーンはデータはユーザー全員で管理する仕組みです。改ざんをしたりコピーしたりというのはできない仕組みになっています。
ここが大きな特徴であり、革命的な仕組みとなっています。
政府や銀行はいらない
ブロックチェーンはあらゆる分野で活用することができるでしょうが、金融にとっては革命的な出来事でした。
お金というのは通常はどこかの政府が発行しているもので、政府の信用度によって価値が変わります。安定している国が発行している通貨はそれだけ安定しているということです。
仮想通貨は政府が発行しているお金ではありません。その管理は政府ではなく、ブロックチェーンで行うわけです。それであるがゆえに信頼できるのかどうなのか、というところではありますが、発想としてはなかなか面白いものですよね。
同様にお金を銀行に預けるという概念がなくなるわけで、政府や銀行がいらない経済圏を作ることができるということです。
実際に仮想通貨をベースとしたブロックチェーンによる都市計画も各国で進んでいます。もっとも社会は経済だけで成り立っているわけではないですが、こういった経済圏がどう暮らしを変えていくかというのは、とても興味があります。
音楽業界ではどう活用できるのか
ブロックチェーンは世界中がインターネットによってつながることで可能性はますます上がるわけです。2020年代はブロックチェーンを活用して金融以外でもどんなことに活かせるのか、そういった応用法にも注目が集まります。
個人的にはネットが普及して価値が変わりつつあるデータそのもののにも大きな影響があると思っています。具体的にいえば、音楽の権利ビジネスについて、ブロックチェーンによって根本的に業界の仕組みが変わるということです。
今は特定の音楽が何に使われたのか、どこで使われたのか、すべて把握するのは困難です。なぜなら、音楽はコピーして使うものだからです。
音楽のデータをブロックチェーンで管理し、なにに使われたのか、どこで使われたのかを一本化して管理することができれば、現在はやや不透明なところの多い音楽権利ビジネスですが、かなり透明性と公平性が高くなるでしょう。
仮想通貨と同じで、ブロックチェーンで管理することにより、特定の組織がそれを管理しなくてもいい、ということになります。通貨はそれが国家であり、音楽だったらそれがJASRACというわけです。
CDは宣伝、ライブで稼ぐみたいな風潮が生まれた音楽業界は、2020年代の10年間で大きく変わっていくかもしれません。