今日、12月10日は世界人権デーです。毎年この日が人権の日として、国連で決められています。
しかし、まぁ普通に生活していると、そんな人権というのを意識することはありませんよね。それは裏を返せばそれだけ社会が成熟している証拠かもしれませんけどね。
人権というのは、年齢や性別、人種にかかわらず、すべての人が人として生きる権利がある、ということです。どんな人であっても、すべての人には人権があります。極悪非道の犯罪者でももちろんそうです。
基本的人権の尊重
日本でもこの人権はとても大事にしていて、憲法でも基本的人権の尊重は真っ先に出てくる言葉です。
いや、それでも日本は死刑をしているじゃないか!女性蔑視がなくならないじゃないか!という意見もあるでしょうけど。
とはいえ、日本では奴隷文化もありませんし、人種差別も(たぶん)ありませんし、部落差別も…いやどうなんでしょう。すみません、都市部暮らしなもので、少なくとも自分の居住エリアではもう部落差別はないかと思いますが、地方だとどうなのかわかりませんが…ないと信じたいです。
日本国憲法でいうところの基本的人権の尊重というのは、具体的に5つあります。
「平等権・自由権・社会権・参政権・請求権」 の5つです。
ざっくり解説していきましょう。
平等権というのは、憲法や法律がみんな平等に適応されますよ、ということです。上級国民だから減刑しますね、なんてことはないということです。
自由権というのは、なにをやっても自由という意味ではないですよ。法律の範囲内で、思想とか、言論とか、職業選択とか、国が個人に対して口出しできませんよ、ということです。
社会権は自分でもちょっとわかりにくいなと思ったんですけど、社会の中で暮らすために必要な教育を受ける権利と、きちんとまともに労働できる権利がある、ということなのかなと解釈しています。
参政権は、選挙のことです。投票する権利と、立候補する権利のことですね。投票という形で、政治に加われるということです。
請求権は、なにを請求できるかというと、お金です。働いたらその分のお金を請求できる、なにか壊されたらその損害賠償を請求できる、ということと解釈しています。
すみません、自分の解釈違いなところあったらごめんなさいね。
憲法改正と基本的人権の尊重
自民党の憲法改正は必ずしも9条のところだけではなく、この基本的人権の尊重についても一部変える予定です。
現在の日本国憲法はこちら。
第十一条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、
侵すことのできない永久の権利として、
現在及び将来の国民に与へられる。
改正草案はこちら。
第十一条
国民は、全ての基本的人権を享有する。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、
侵すことのできない永久の権利である。
同じようなかんじですけど、ちょっと違いますね。
面白いのは、現在は誰かに人権が与えられている表現であり、改正案は最初からあるという表現になっていることです。
実はこの表現の違いに、現在の日本国憲法は本当は誰が作ったのか、というのがにじみ出てくるわけです。欧米はキリスト教圏ですので、こういった権利は神が与えるわけです。まぁつまりどういうことかというと、そういうことです。
一行目も、「全員が享有を妨げられない 」という言い方は、要するに「全員が 享有する 」ということと同じ意味です。日本語の表現というよりかは、英語の言い回しです。つまりどういうことかというと、そういうことです。
こういった表現を変更するところに、ある種の自民党の意地を感じます。
そして憲法改正で人権と言えば97条のことも話題になります。
97条はこちら。
第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
改正案では、実はこの97条はまるっと削除されることになります。こちらについて、けっこう否定的な意見を言う人も多いです。「犯すことのできない永久の権利」を削除するなんて!ということなんですけど、実はこれ11条と内容が被ってるんですよね。
日本国憲法が作られた時から、この11条と97条の内容被りは議題にあがっていたそうです。このあたりのいきさつはWikipediaに詳しく書かれていますが、早い話がアメリカの偉い人が作った文章だからどこかに入れてくれ、と頼まれたもので、しょうがないから後ろのほうに入れといた、ということです。
この97条削除についても、いろいろな意見もあることでしょう。いやでも!と何が何でも突っ込みたい人がいるのもわかります。それはもちろん、強引な解釈をすればどうだって突っ込めますけどね。もちろんいろんな意見があることは結構なことだと思います。
双方がちゃんと正しく議論をして、この憲法改正の話ができればいいなと思います。自分自身ももっといろいろな視点で勉強していきたいと思っています。
来年以降はもう少し具体的に憲法改正が進む可能性もあり、このブログでも政治的な内容が増えるかもしれません。
大事な問題なので、自分も含め一緒に考えていければなと思います。