架空アカウントがSNSでできる恐ろしいこと


ディープラーニングによる画像生成の技術は進み、全自動で架空の人物を作り出すことは簡単です。その写真もいくらでも作り出すことができます。音声合成技術も加わり、もしかしたら動画だってできてしまうでしょう。

文章だっていくらでも自動生成できそう。当たり障りのないものでいいわけですしね。

架空アカウントは見抜けない

こうなってくると、見かけだけではSNSの架空アカウントを見抜くことは難しくなってくるのかなと思えます。

無限でユーザーを作り出すことができるようになってしまうと、どうなってしまうのでしょうか。

これまでもSNSで架空アカウントを作って、フォロワーを買うという行為について問題になってきました。なにも更新されてないアカウントを凍結するなどして対応しているものの、この架空アカウントにリアリティさが出てしまうと、IPアドレスなどで判別は可能でしょうが、少なくとも一般人には、アカウントの書き込みを見ただけで違いはわかりにくいわけです。

少し変わるインフルエンサー

これまでは、SNSでとても影響力のある人が企業から報酬をもらい、特定の商品を宣伝するという形で、インフルエンサーとしてのマーケティングが行われていました。

しかし、現在の若い世代はもう少し冷静で、インフルエンサーがお金をもらって投稿しているということをドライに見る傾向があるといわれています。

ある一定層以上の年齢だとあの人が使ってるから、となるのですが、こういった価値観は常に変わっていくものです。

とはいえネットで情報を探すということは変わらないので、その中で本当のレビューをいかに探せるのか、というスキルが求められます。

AIがアカウントを作り出したらSNSの価値が変わる

AIがアカウントを大量に作り、それぞれ固有の名前や写真、日常まであるのであれば、個別にそれらを架空かどうか判断するのは難しくなります。

しかしその架空アカウントがまさに架空ユーザーとなり、特定の商品を称賛することで話題性を生み出すことはできるでしょう。有名人だけが称賛していればそれがPRだと見抜けても、不特定多数がそうなると、そこに情報の信憑性も増します。

これは他にも使い道はありそうで、例えば政治的な意見もそうです。架空アカウントを駆使し民意を生み出すことができます。

昔は報道機関を使ってプロパガンダをしていましたが、もしかしたらそれよりも簡単に民意誘導ができるかもしれません。

まさにこれこそ、情報のインフレーション。実際にある社会の情報量以上に情報が与えられることによって、SNSを恣意的に変えることができてしまいます。

これまでは架空アカウントってなんとなく見抜けましたけど、もうすでに判別不能なレベルまで持っていくことはできるかもしれません。あふれる情報の中で、どう検索するかではなく、本当に必要な情報にたどり着くのはますます難しくなる世の中になりそうです。