QUESTIONより:禁止になるの?ナイキの厚底シューズが話題に


QUESTIONより

今、世界陸連でナイキのシューズ、ヴェイパーフライが禁止になるかもしれないと話題になっていますが、彩雨さんはどう思いますか?


今年の箱根駅伝は区間新記録や大会新記録ばかりで、すごかったですね。
陸上競技は毎年のように新記録が更新されますが、もちろん選手の身体的な進化もあるでしょうが、例えばトレーニングの強化、走り方などテクニック的な強化、そしてもう一つ、シューズなどの強化も上げられます。

ナイキの厚底シューズが話題に

今回の箱根駅伝だけではなく、長距離選手の間で流行しているのが、ナイキの厚底シューズです。「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」という製品で、前へ押し出すような力が作用するといわれています。とはいえ、もちろんルールに反した仕掛けのあるものではなく、研究と商品開発努力によって生まれたものです。

今回の箱根駅伝に出場した選手の大半がこのシューズを履いていた他、世界でも陸上選手の多くがこのシューズを選択しているので、東京オリンピックでもこのナイキの厚底シューズが話題になるだろうなと思っていました。

しかしここにきて、世界陸上連盟がこの厚底シューズを禁止にする方向で話を進めているようで、動揺が広がっています。こんな東京オリンピック直前でシューズを変えなくてはいけないのか、これは選手たちにとってはとても重要な問題です。また、他社にとっても今後の製品開発に影響がでてくるかもしれません。

どこまでOK?ちょっと難しい問題

前に水泳でも同じ問題がありました。10年ちょっとくらい前ですかね。レーザーレーサーという水着がめっちゃ速く泳げるということで、けっこう問題になりました。今回と同じような感じですね。

いろいろもめて、結局禁止になったんだったかな。

野球でもボールが変わればホームランがたくさん出たりしますし、サッカーもボールが変わればフリーキックが決まらなくなったりしますし、スポーツとは多かれ少なかれ、道具の影響もあるものです。

しかしスポーツ用具メーカーはより良いものを作ろうと日々努力を重ねているわけで、決められたルールに則ってその中で開発をしているわけです。それを後から、よくなっちゃったから禁止!ってのは変な話ではあります。

サッカーなんかはまだみんな同じボールを使うので、変化があっても公平な感じはしますけど、水泳や陸上で、みんな同じメーカーのものを使え、とするのは難しいですよね。

また、パラリンピックでも同じ問題が起きていて、義足が進化しすぎてめっちゃ速く走れるようになっているわけです。とはいえ、これをすべて義足のおかげとするのも変な話で、選手の努力や身体能力向上も影響しているはずです。

ずばっと切り分けるのも難しく、どうわかりやすくルール化できるんだろうというところですね。自分は詳しくないですが、ドーピングでも同じようなことはあるのかもしれません。あれは禁止で、でもあれは?ということです。

ギリギリのところでせめぎあいはいつも起きているのでしょうね。