SDカード20周年の節目に考える、SDカードの未来


1999年に発表され、2000年から多くの機器で使われるようになったSDカードは、今年で20周年という節目を迎えます。

SDカードの20年

京都での講義でもSDカードの話はしています。

00年代というのは、フラッシュメモリが多くの機器に搭載された時代です。今では当たり前のように使われていますが、容量も増え、価格が大幅に下がったおかげで使いやすくなりましたね。

SDカードはMiniだったりMicroだったりさらなる小型化を進め、容量も数十GBは当たり前になってきています。昔のHDDの容量がこんな小さなカードに入ってしまうのだから、不思議なものです。

昔はたった8Mのカードが数千円で売っていたようなこともあり、それと比べると夢のような時代になったものです。

SDカードは今でこそみんなが使っていますが、当時は他にもたくさんのメディアがありました。デジカメの会社が違えばフラッシュメディアが違うくらいの勢いでして、メモリースティック、スマートメディア、コンパクトフラッシュなどなど…たくさんの種類がありました。SDカードはその中の一つという感じでしたが、最終的には多くは淘汰されSDカードが勝ちぬいたような形です。

これからSDカードはなくなる

では、これからのSDカードはどういうものになるでしょうか。

現在は1TBのSDカードもあるようですが、ますます大容量化も進むかもしれません。その他、WiFi対応などもありますが、多くの機能が搭載されるようになるかもしれません。

しかし寂しい話でもありますが、自分は将来的にはSDカードはなくなると予想しています。容量が増えたり、多くの機能が搭載されたところで、それはやはりコモディティ化なんですよね。たいしたインパクトもなくなってきます。

SDカードがなくなる理由はいくつかあります。

まず、SDカードがここまで大容量化し、なおかつ価格が下がったのは、みんながSDカードを使うようになり一点集中できるようになったこともありますが、それと同時にフラッシュメモリの性能が向上しているという点があります。それは裏を返せば、スマホなどに搭載しているメディアについても同じく性能が向上しているわけで、昔以上の大容量を搭載したスマホが当たり前のようにあるわけです。

スマホの容量が大きくなれば、SDカードをいれる必要がなくなるということです。また、SDカードの用途としてデジカメの存在もありますが、そもそもデジカメ自体のシェアが減っている事情もあります。

それともう一つが、5Gの普及です。現在でもスマホは常時接続は行われていますが、さらにそれが大容量になります。今のように必要なデータはすべてクラウドへ転送されるだけではなく、スマホ自体にはさほどデータを入れておく必要もなくなり、必要なデータがあれば随時アクセスして、あたかも手元の端末に保存されているかのように扱えるような世の中になります。

そうなってくると、そもそもデータを手元の媒体に保存するということ自体が過去のものになります。SDカードは当然、いりません。

今、Androidのタブレットには余ってたSDカードは入れていますが、まったく使っていません。AndroidのスマホはSDカードを入れることはできますが、SIMの二枚刺しをしているので使えない状態です。ですが、今のところ不便はありません。

SDカードはそう遠くないうちになくなると思います。超大容量を扱う撮影現場などでは使われるでしょうが、2030年を迎えるときには、一般人にとっては懐かしい存在になっていることでしょう。