みんなも訴えられるの?リツイートなのに著作権侵害へ。見え隠れする日本とインターネットの課題とは!


先日ちょろっとTwitterで書きましたが、リツイートが著作権侵害になる、という話をあらためて解説しようと思います。

これ、Twitterユーザー全員に関係する話ということで、みなさんも訴えられる可能性がある話です。

なぜ著作権侵害になるのか

勘違いしないでほしいのは、不正な画像をリツイートしたから著作権侵害、という話ではありません。

画像の著作者が自らのアカウントで画像をツイートし、その画像をリツイートすることで著作権侵害になる、という話です。

そんな馬鹿な話があるか、という感じもしますが、今回の話はそういうことです。

※9月7日訂正

こちらに関して、自分の誤認がありました。

画像著作権所有者はツイッターユーザーではなく、そもそもが無断転載された画像ということです。

お詫びして訂正いたします。

日本は過去の判例が重要になるので、今後もこの判例を参考に、同じようなことがあれば著作権侵害となるでしょう。

このカラクリはTwitterの仕様の問題なのですが、リツイートすると自分のタイムラインにその画像が表示されます。しかしタイムライン上はその画像はトリミングされた状態になってしまいます。画像に著作者表示がされていた場合、その部分がトリミングされなくなった状態でタイムライン上でリツイート表示されることになり、それが著作権侵害になる、という話です。

どうするべきだったのか

今回の件は、正直それくらい勘弁してくれよと思う人も多いかもしれませんが、権利者にとっては重要なことです。

社会的に、技術的に、法的に、権利問題にまつわる多くの変化がスピードアップしており、いろいろ変えていかないと対応しきれません。

じゃあ今回のケースはどこを変えていく必要があるか。変えることができる三つの点はこちらです。

例えばTwitterのリツイートの仕様が変わるかもしれません。しかし今回はあくまで日本でのケース。Twitterはアメリカ本社の仕様がそのまま世界で使われるので、日本の判例に合わせてルールが変わるか微妙なところ。

あとはそもそもの考え方。これは著作者側が折れる形ですが、SNSに著作物をアップするとはある程度そういうものだ、とできるかどうかというところ。例えば自分も多くの写真をアップしていますが、少なくとも自分はリツイートされた画像について著作権侵害とは感じません。それが嫌なら、リンクを張って正しく画像が表示されるサイトに誘導すればいいだけの話、というやや乱暴な考え方です。

もう一つは、法的な側面。著作権にまつわる法律は、今スピードアップしながらインターネットに対応させていますが、技術の進歩に法が追い付いていないのはここ20年の動きを見るに明白です。これは著作権絡みだけではなく、選挙にまつわるものも、教育にまつわるものも同じで、それくらい今はものすごいスピードでいろいろなものが変わっているということです。

今回は最高裁で著作権侵害ということで、司法としては匙を投げた印象もあります。これを踏まえて法律の整備をするか、SNSの仕様を変えるかが必要になります。合わせて、この問題の周知徹底が行われないと、下手に画像付きツイートをリツイートしてどんどん訴訟合戦へ発展していく可能性もあります。最高裁でこう判決がでた以上、訴えられたら速攻で引き下がらないと、勝ち目はありません。

日本がこうなったからといって、じゃあ海外でも同じようになるかというとそれは別の話。ネットだけがグローバル化して法律はグローバル化してないというところも、こういったねじれが起きる要因ではありますが。

ちょっと今後の動きも気になるニュースですね。