最近、Yahoo絡みでお金周りの企業が、一斉にPayPayの冠をつけるという発表がありました。
実はこれはPayPayが登場してしばらくしたころからずっと言われていたことで、点在するYahooブランドをひとつにまとめる、ということです。
具体的にはPayPay銀行とか、PayPay証券とか、そんな感じです。
Yahooの特殊な事情
Yahooは日本でとても有名なポータルサイトということで、多くの人が慣れ親しんだインターネット黎明期から存在する大きな企業です。
もしかしたら日本の会社だと思っている人もいるかもしれませんが…いや、日本の会社です。でも大元のブランドはアメリカということで、一節によればYahooの冠をつけることにライセンス料のようなものを払っているという話も聞いたことがあります。
Yahooはブランド力がありますので、それはもちろんそれに頼りたいですが、推測ですが以上の理由によりYahooは他社に比べてブランド統一にそこまで力を入れていない印象もありました。
経済圏を意識することが大事
しかし、事情が変わってきました。キャッシュレス市場の活性化です。
それはすなわち、経済圏を意識するということです。
具体的に言えば、例えばなにかの縁で楽天トラベルをよく使ってそれで旅行に行く人がいるとします。そうするとポイントが貯まるので、楽天市場で買い物しようかな、となるわけです。
それが広がっていくと、じゃあポイント共有できるし楽天銀行を使って、楽天モバイル使おうかな、と、生活の中で多くの企業を巻き込み、経済圏を作っていきます。
2020年代はますますこの経済圏の意識が高まっていきます。ユーザーはどこの経済圏にいるかが自然とどこの会社のサービスを受けるかに変わり、企業としては自分たちの経済圏にユーザーをどう巻き込めるかが重要になってきます。
今回のブランド名統一化もそういったところにあるのかなと思います。正直なところ、ジャパンネット銀行がYahoo傘下だったことを知らなかった人も多いと思いますが、どうせなら普段からYahooショッピングであったりPayPayを使う人は、ジャパンネット銀行を利用してもらったほうが特になるわけです。お互いにね。
経済圏は2つ
今はまだ戦国時代ということで、小さな国がたくさんあるような形です。その中でどこが力をつけるのか、新興勢力はでてくるのかと期待していましたが、コロナの影響もあるのかないのか、でてきません。
やはり強そうな経済圏は2つですね。ソフトバンク、PayPay、Yahoo、秋にはLINEまで巻き込んでしまうZホールディングス、もう一つは楽天です。
楽天は早い段階からブランド名統一を進めていて、Zホールディングスはそこまで統一化が進んでいないのが現状です。今回は銀行やクレジットカードなどお金周りのものをPayPayに統一しましたが、ポータルサイトや携帯電話事業などもPayPayにするのかというと、どうでしょう。PayPayホークスになるかというと、それもどうでしょうね。
楽天はすべての業種を楽天に統一しています。野球チームから携帯事業から銀行までです。
このあたりの差がどうでてくるかというところ。あえて統一しない強みもあるのかもしれませんが、興味深い流れです。