なんと、キャプテン翼が久々にアニメ化されることになったそうです。まじか。
キャプテン翼といえば、外国の方でも知っている世界で一番有名なサッカー作品です。日本人のサッカー選手は誰も知らないけどツバサは知ってる、って人はたくさんいます。
これはなかなか楽しみなニュースですね。
時代錯誤?難しいすり合わせ:サザエさんの例
作品の時代背景と現代の時代背景のすり合わせが難しいケースはしばしばみられます。とくに長寿作品だと避けては通れません。記事の中で作者である高橋陽一先生のインタビューの中にこのような記述がありました。
高橋氏は再びアニメ化されるにあたり、「本当にありがたく思っています。原作第1話から忠実にお願いしていますが、以前、アニメ化されたときは1980年代だったので、だいぶ世間の状況も変わっていますし、最近の子どもにも楽しめるように現代の設定に変えています」と語り、ウエアは現代風に、昔はなかった携帯電話やタブレットのある設定に。
これはとても興味深いですね。どのように描かれるのか楽しみです。
時代背景と現代のすり合わせてたびたび話題にあがるのがサザエさんです。こちらも誰でも知ってる長寿アニメの一つですね。
これ、けっこう難しい問題なんです。サザエさんの時代設定は常に現代です。一部の方はサザエさんは昭和の話だと思っているかたもいるかもしれませんが、サザエさんの舞台はあくまでこの現代なのです。これは昔から一貫してぶれていません。
しかしながら、サザエさんの作品性を損なう設定に関しては現代のものは反映されないのです。サザエさんの家にはパソコンやスマホはなく、共働きではありません。そこも昔からぶれていません。
サザエさんは以前より東芝がスポンサーでした。東芝製の商品がしばしば作中に登場し、戦後多くの家電が生活に取り入れられるようになる上で家電=東芝(昔でいうナショナル)というイメージを潜在的に植え付けていたともいわれています。作品自体が東芝の広告でもあったわけです。サザエさんのテレビが液晶テレビなのも、そういうことなのです。
現在はサザエさんの舞台設定と現代の時代背景のすり合わせが難しくなっているのは誰が見ても明らかで、このすり合わせは今後も難しいものになっていくと思います。一部でサザエさんの設定を昭和に戻すべきという声もありますが、移り行く東京と時代の流れをサザエさんという作品で常に一般家庭と寄り添っている今の作風を変えてほしくないというのが個人的な意見でもあり、この時代錯誤も含めて一つのパラレルワールドとしてこれからも描いてほしいなと思っています。
時代は変えない、あくまで時代劇を貫く。:ちびまる子ちゃんの例
サザエさんとセットで家庭に長く親しまれている作品の一つであるちびまる子ちゃん。こちらは1980年代後半の作品ですが、舞台は常に1970年代、作者のさくらももこ氏が育った時代であり、静岡県清水市(現在の静岡市)での話となっています。つまり、ちびまる子ちゃんは最初から時代劇なのです。
これも一貫して変わっていません。ちびまる子ちゃんにでてくるテレビでは常に山口百恵さんが活躍していますからね。こういうスタイルもいいなと思いますよ。100年たったら完全に時代劇ですね。
絶妙に中身を変えていくスタイル:こち亀の例
こちらも長寿作品、残念ながら連載が終わってしまいました。国民的漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」です。時代への合わせ方はうまかったですね。常に時代背景は現代でした。若者文化は常に積極的に取り入れ、スマホやゲームなど、むしろ若者以上に詳しく描かれていたのではないでしょうか。
主人公をはじめ、主要メンバーは年を取りませんでしたが、周りのキャラは年を取っていきました。大原部長の娘さんも結婚しましたしね。こういう描き方も斬新ですね。キャラが多く、キャラのフェードアウトも頻繁に行っていたのでできた手法かもしれませんが。
ちなみに派出所という言い方はもう現在ではしなくて、1994年に派出所から「交番」へと名称を統一かすることになりました。この時も、作品の中でこれをネタにしているところがありましたね。そういうところも含めて愛された作品だったのかなと思います。
どの作品にも、魅力がある
長寿になればなるほど、時代とのすり合わせという問題がでてきます。ですが、作品としての軸があれば、どのようなスタイルでも魅力ある作品として愛されるのではないでしょうか。今回のキャプテン翼も、うまく時代にすり合わせ、素敵なアニメ化になることを期待しています。