「これ、世界一になる理由は何があるんでしょうか。2位じゃだめなんでしょうか」
これは、当時としてはいろいろな意見があった言葉ですが、生き方という意味でも非常に本質的なものを問われる究極の問いです。
世界一を目指さずに2位を目指すのはおかしい、という意見が当時多くでましたね。
その一方で、ワールドカップの目標は初のベスト4ですとか、オリンピックの目標はメダルですとか、甲子園の出場が目標ですとか…必ずしも1位を取りますというのを目標に掲げている人たちばかりではありません。
1位を目指すのは疲れるんだ
ぶっちゃけ話ですが、1位を目指すというのは大変なことです。
その大変なことを乗り越えるからこそ成功を収められるわけですが、だからといって日本の全国民がすべての物事に対して1位を目指せというのはしんどいです。
自分自身も生きる上でいろいろな取り組みをしていますが、なにからなにまで1位を目指すような生き方はしていません。もししてたら、たぶん今のような生き方はできなかったでしょうね。
2位じゃダメなのか、2位じゃダメな理由はないんですよね。ないんですけど、というところです。
1位を目指さなきゃいけない理由もわかりますし、2位じゃダメなのかという気持ちもわかります。
究極の問いです。
2位じゃダメかと言われたコンピュータは1位になった
さてこの2位じゃダメなのかという話ですが、スーパーコンピュータの予算についての話です。
このときに事業仕分けで凍結しかかっていたこのスーパーコンピュータ京ですが、研究者の猛反対などもあり、予算は削られたものの、プロジェクトは存続できました。10年前の話です。
その後、2位じゃダメかといわれたこの京は、見事1位になりました。
そして、この夏にその役目を終え、電源はオフになりました。
科学者はトップを目指さなければいけない、日本は世界有数の技術国です。
こういった気持ちを持って研究開発に取り組んだことで、今の日本があります。
この精神だけは忘れてはいけませんね。