メタリカのライブがまさかの展開に…ネット配信と著作権の問題を考える


配信が非常に増えた昨今、ネットと著作権法の関係性というのはより曖昧なものとなりました。

新しい技術に法が追い付いてない面もありますが、もともとが曖昧なものに対して曖昧な技術が覆いかぶさり、そこに曖昧な法律が存在している歪な形となっています。

判定技術の精度

先日、メタリカがネット配信で演奏した際、途中から著作権の対象になってしまい、音楽が別のものに差し変わるという、シュールなライブがありました。

Twitchが人気ヘヴィメタルバンドの公式ライブを配信中にフリー音源に差し替え、著作権侵害を懸念か

これは非常に興味深い事例ですが、音楽の権利元という概念は非常にあいまいです。

というのも、僕らは普通にライブをやり、配信をやるわけですが、実は摩天楼オペラは摩天楼オペラに著作権に関する支払いをしています。いつも配信ライブのたびにお金を支払っています。

それが周り回って自分たちのところに戻ってくる(と信じたい)わけですが、自分の曲だからネットで自由に演奏していいというわけじゃないところが、現代のテクノロジーと法的解釈の難しいところですね。

国によってもちょっと違うし、プラットフォームにとっても、その楽曲がどこが管理しているかなどなど、一筋縄では解釈できない問題が権利周りにつきまといます。

現在はあまりにもグレーゾーンが広いです。一昔前ほど不健全なものとは感じませんが、不透明だなと感じます。

ブロックチェーンによるオート管理

個人的に興味を持っているのは、ブロックチェーンによる音楽権利保護の活用です。

今のところ仮想通貨のことばかり注目されるブロックチェーンですが、音楽の世界に活かすのであれば、こういった音楽権利周りと、それにまつわる支払いの完全オート化かなと思います。

仮想通貨の一つであるイーサリアムには、オートで支払いに関するプログラムを組めるスマートコントラクトという性質があります。

現在のようにどこかが著作権について管理するのではなく、ブロックチェーンを使い透明化させ、スマートコントラクトで権利料支払いを完全オートでやってしまうということです。

現在ある多くの問題がこういった技術によって解決すると、多くの人がもっと自由に音楽を使っていろいろな発信がしやすくなるでしょうし、ミュージシャン側にもすんなりと、正確なお金が入るようになります。こういったテクノロジーの発展は周り回って音楽の発展に寄与することになります。

今はちょうど転換期だな、と思うことばかりです。