ソフトウェアは淘汰されるもの、一太郎禁止令を考える


一太郎禁止、というのが先日ちょっと話題になりました。

一太郎ってあまり聞いたことがない方も多いと思いますが、ワープロソフトです。

3年前にも一太郎の話をしています。

一太郎はまだバージョンアップを続けている!

一太郎禁止令とは

ワープロソフトといえば、マイクロソフトのワードが有名です。一太郎は知らないけどWordは知っている、という人は多いと思います。

一太郎は日本の徳島にあるジャストシステムが開発しているソフトウェアです。表計算ソフトの三四郎、データベースの五郎など、いろいろ取り揃えてありました。

ホームページを久しぶりに見てみたら、もう三四郎や五郎は販売されていませんでした。しかしグラフィックソフトの花子はいまだに健在なのですね。

そんな一太郎ですが、一部の著述業、研究者、官公庁ではまだ人気のあるソフトウェアとなっています。

しかし農水省については、事実上の禁止令をだしたとのこと。

政府内で相次ぐ法案ミス 農水省が事実上の「一太郎禁止令」を出したか – ライブドアニュース

報道では法案ミスの件が理由ではないかともありましたが、実際はそれとは別の理由のようです。

まぁ一太郎はユーザーが少ないので、それで送られても困るよ、ということのようですね。一太郎はワード形式でも保存できるんですけど、それだったら最初からワードを使ってくれよということなんでしょう。

ソフトウェアは淘汰されるもの

一太郎はそれはそれでとても洗練されたソフトウェアだと思います。自分自身も以前は使っていました。

しかし近年はワードを使います。これはもう、世の中の流れに乗るしかありません。

何かを作って印刷したものだけを提出するのであればそれでもいいのでしょうが、今はデジタルデータでやり取りをする必要があります。

多くの人が使っているものを、それに合わせ同じものを使えるようにするのも、また今の時代のたしなみです。

思い出を辿って、前にもそういうことあったかなと考えてみましたが、いろいろありますね。

音楽関係だと、SOLというYAMAHAが開発したソフトウェアを長く使っていました。もともとXG WORKSという前身ソフトがあり、その流れでずっと使っていました。

たしか摩天楼オペラ初期はSOLだったと思うんですよね。

しかしYAMAHAはCubaseシリーズの開発を引き継ぐことになり、SOLシリーズはなくなってしまいます。

実は音楽制作のソフトウェアって、それほど数は多くないんですよね。メインどころは世界でも4つか5つくらいです。YAMAHAとしても、SOLを世界標準にするより、すでに世界でシェアを獲得していたCubaseに完全シフトしたほうがいいという判断なのでしょうね。

同じソフトを使わないと音楽の仕事ができないわけでもないんですけど、同じ方が便利なときもあります。自分もそういった理由で、Cubaseをメインで使いながらも、Pro Toolsも持っています。

音楽制作はそれでもまだマニアックなものなので、ある程度の数がまだキープできる方なのかもしれません。文章作成や表計算は利用するユーザーも多く、そのユーザーも必ずしもITリテラシーが高いわけではないかもしれません。

そうなると、淘汰の力はより進むことになります。

残念ながら、一太郎も今後は淘汰されてしまうかもしれません。ジャストシステムもそれをどこか念頭に置いているのか、現在は以前より取り組んでいた教育系や企業のシステム分野などにより力を注いでいる印象もあります。

一太郎も40年近い歴史があるんですが、少し残念です。しかしそんな一太郎も、日本語ワープロソフトとしてかつてはとても有名だった「松」シリーズのシェアを奪い取って淘汰させた経緯もあります。自然の摂理と言ってしまえば、そこまでなのでしょうか。