外ではテレビやラジオに加え、携帯電話の電波が。自宅ではWiFiが。もっと至近距離ですとBluetoothもあります。
昭和の時代はそれこそテレビとラジオくらいだったわけで、今はどれだけ電波に囲まれて生きているかという感じですね。
電波は有限
意外と感覚的に知られていませんが、電波は有限、つまりいくらでも飛ばし放題というものではありません。
みんなが好き勝手電波を使ったら必ずどこかがぶつかってしまいますので、ちゃんと使っていい部分が細かく決められています。
楽天モバイルのプラチナバンドについても話題ですが、楽天モバイルが好き勝手電波を飛ばしていいわけではなく、ちゃんと割り当てられたところをそれぞれの会社が使う仕組みになっています。
総務省はこのプラチナバンドの再分配に前向きのようですが、電波の割当というのは、要するにどこの部分をどこが使っていいかを割り当てるということです。
ヘルツを意識してみよう
よくヘルツという言葉を耳にすることがあると思います。
CDで44.1GHzなんて言葉を耳にすることもあると思いますが、電波でもラジオでは何ヘルツ、なんていいます。
実はこれは2つとも言葉としては同じ意味でして、ヘルツというのは周波数を表す単位です。1秒間に何回電気の波が揺れるかということで、1秒間に1回だと1ヘルツとなります。
ただ使われ方としての意味はCDと電波とでは、少し意味が異なります。しかしどちらにも共通していえるのは、ヘルツの値が大きいほうが、扱える情報量が多いということです。
ラジオはAMとFMがあり、FMのほうが音質はいいですよね。これは扱う周波数帯域が違うからで、AMのほうがヘルツが低くなっています。ラジオを手動でチューニングする機会は減りましたが、ぜひ数字をチェックしてみてください。
WiFiも、2.4G帯と5G帯で選択できますが、あれも扱う周波数が違います。5GHzのほうが速度は早いですが、2.4GHzのほうが広範囲に電波が飛びます。
ヘルツの値は小さい方が、より広範囲に電波を送ることができます。潜水艦や船舶の通信は、ヘルツの値が小さい電波を扱います。大きいと広範囲ではなくよりピンポイントに電波を飛ばすことができます。天体観測などで電波望遠鏡を使う場合は、こういった大きいヘルツ帯の電波を使い、ピンポイントで電波を飛ばします。
他業種での再分配も
時代もかわれば、生活も変わります。
そうなると、使う電波も変わりますよね。
昔は空いていた電波も混雑して、ちょっとあんまり使わなくなった業界の電波を分けてもらう、なんてことがあるのでしょうか。
実はこれは過去にも事例があります。すでに使わなくなったアナログテレビ放送の電波帯を、携帯電話に転用するようになっています。
ただ扱う電波が隣接していると、どうしても電波障害も起きてしまいます。
「地デジ」に受信障害の可能性、携帯電話の700MHz帯の利用拡大で – BCN+R
地デジの電波とも近いということで、テレビ視聴にも影響がでているようです。
日常生活を考えると、潜水艦や電波望遠鏡が扱うような周波数域はあまり使う機会はないように思えます。どうしても使い勝手が良さそうな周波数が渋滞してしまいそうです。
こういったギリギリでの調整も、今後も続いていきそうですね。