なぜライブでイヤモニをつけるのか


近年、ライブ中にイヤモニをつけるバンドマンが増えてきました。

東京ドームのような大きな会場ですと、動き回ると音の環境が変わり、演奏しにくい、歌いにくいという問題があります。

それを解消するのがワイヤレスのイヤモニです。

しかし、近年は小さな会場でもイヤモニをつけるミュージシャンが増えています。

ライブでのイヤモニ

だいたいドラマーはイヤモニをつけることが多いです。

これは同期演奏がある場合、クリックを聞かなければならない事情があるからです。

しかし基本的にライブのことを想定すると、クリックはドラムだけ聞けば問題ありません。そのため、なきゃだめなものでもありません。

自分自身は2016年から他のメンバーよりもいち早くワイヤレスのイヤモニを導入しました。

その後、他メンバーもイヤモニを導入するようになっています。

音楽的な都合と環境の都合

イヤモニのほうが音が整理されて聞こえますから、周りが何をやっているか、自分が何をやっているかわかりやすいというメリットがあります。

ただそれ以上に感じるのは、曲の出だしが必ずしもドラムからじゃなくていいということです。

摩天楼オペラの場合はドラムきっかけ以外だと、キーボードきっかけの場合も多く、自分がイヤモニをつけることで、冒頭のカウントを省略できるメリットがあります。演出上、そちらの方が都合がいい場合もあり、音楽的な都合からイヤモニをつけるほうが表現の幅が広がるメリットがあるということです。

全員がイヤモニを現在はつけていますので、いきなりパッと入ることが可能です。

小さなライブハウスは、みんながそれぞれ爆音で音を出すわけですから、もうなにが何やら、という感じになってしまいます。大きな会場でも、なんだかなんだで音が反響するので、これはこれでもう何が何やらという感じです。

イヤモニがあればスタジオでもどんなライブ会場でも同じ環境を再現しやすいということも、メリットの一つでしょうね。

小さいライブハウスだと、モニターを撤去することで、ステージ全体をより広く使えるようになります。単純にスペースが広くなるというメリットもあります。

身体的な都合

昔は、イヤモニをつけると耳に悪いという説がありました。

たしかに、その音量次第では耳には悪いでしょう。

しかし、ないならないで大きな音になるわけで、耳に悪いんですよね。

自分自身の体感としては、イヤモニを導入後のほうが、ライブ後の耳の負担が軽減しているように思えます。ただこれは人によるでしょうね。

金銭的な都合

イヤモニは、昔はそれこそ高価なものという印象がありました。

しかし近年は安価のものが増えてきている印象があります。

現在爆発的に普及しているのが、SHURE PSM300だと思いますが、あれが発売されたのは2015年です。10万円を切る価格で、さらに免許のいらないB帯の電波を利用できるということで、一気に普及しました。

近年は帯域が異なるXvive XV-U4もあり、より安価でより小型の商品も登場するようになりました。イヤモニはさらに普及しやすくなるでしょう。

他の機材との相性

ギターやベースは、近年アンプシミュレータの性能がぐんぐん上がっています。その結果、アンプを鳴らさずアンプシミュレータの音をそのまま外部に出す人が、この20年で増えている印象があります。

そうなるといわゆるライン回線になるので、家でもライブハウスでも完全に同じ音で再現できるわけです。

こうなると、やはりイヤモニとの相性はいいですね。

イヤモニはつまらない?

イヤモニのデメリットとしてよく取り上げられるのが、爆音を体で感じないということが言われます。

とはいえ、実際はありとあらゆる楽器の音が爆音でなっているわけで、それほど差はないのかなと思っています。

ただ、お客さんの歓声はもちろん聞こえにくくなります。自分のイヤモニはそこまで完全な密閉ではないですが、完全な密閉を好むバンドマンは、もしかしたらほとんど聞こえてないかもしれません。

いろいろ工夫を自分もしまして、例えば外音用のマイクをイヤモニに入れてみるとかやったことあるんですが、有効な改善策ではありませんでした。

この問題については、一理ありますね。片耳イヤモニすることもあり、それでけっこう解決するんですけど、あれはあれで耳によくないんですよね。

まあ、何事もバランスが一番大切です。