マーレの腕章が販売中止へ、進撃の巨人に見る差別問題への問題提起


アニメにでてくるグッズの商品化は、これまでにもいくつか事例があります。

ただ今回は内容が内容だけに、販売中止となることになりました。

マーレの腕章、販売中止へ

マーレの腕章が商品化されることになり、それが中止になるという騒動がありました。

「進撃の巨人」マーレの腕章、販売中止に 「ナチス想起」批判で謝罪:朝日新聞デジタル

マーレの腕章とは、その腕章をつけている人はエルディア人ということで差別の対象となるものです。

それをつけて出歩くことが義務化され、マーレに対して忠誠を誓うというような感じです。

進撃の巨人では、現実世界さながらの差別制度があり、そういったこともこの物語に深く関わってきます。

マーレの腕章も、たしかに進撃の巨人の中にでてくるアイテムとしては商品化しやすい部類であることには間違いありませんが、さすがに踏み込みすぎた印象もあります。

フィクションだからOKのライン

マーレ人、エルディア人の描き方は、近代ヨーロッパの人種差別を彷彿とさせる描き方に近く、たしかにフィクションではありながらも、フィクションだからOKとはいきません。

おそらく商品化にあたり、どこかでフィクションだからOKというラインがあったのかもしれません。

こういったホロコーストについては、オリンピックの件も然り、やはり日本人としてはそこまで深く思いが至らなかったところもあるのかもしれませんね。

もしかしたら進撃の巨人についても、こういった描き方をすることに対しての意見も寄せられたかもしれません。

ただ作品を読むと、そういった印象は持ちませんでした。進撃の巨人は、差別問題について最後までうまく言及しているまとめ方をされていました。

進撃の巨人を通じて、ホロコーストについて調べ、考える読者も多かったのではないかと思います。

どこまでがOKで、どこからがNGなのか。最終的にこの線引はそれぞれに委ねられるわけですが、もはやその線引を明確にさせるものは教養しかありません。

勉強しろ、というような言い方はあまりしたくはないですが。

せめて担当者のみなさんは、せっかく作品に関わっているのだから、進撃の巨人を最後までちゃんと読んで、差別問題について考えてから商品化の話を進めてもらいたいものです。