NFTを活用したブランド品の真贋判定の可能性と課題


これはスタエフ配信の文字起こしをブログ化したものです。

ブロックチェーンを活用したデジタル証明書を導入

イタリアのOTBグループが、傘下のブランドであるチルサンダー、マルジェラ、マルニの全製品に、ブロックチェーンを活用したデジタル証明書を付与することを発表しました。この取り組みは、来年の秋冬コレクションからスタートする予定です。

今回採用されるブロックチェーンは、エンタープライズ向けのブロックチェーン基盤である「クオーラム」とのことですが、具体的にどのようにNFTを活用するかについては、まだ明らかになっていません。

NFTを活用したデジタル証明書の可能性と課題

ブランド品の真贋判定にNFTを活用するアイデアは、これまでにもいくつか提案されてきました。今回の取り組みでは、全ての衣服とアクセサリーにNFCチップが添付されるとのことで、スマートフォンでチップを読み取ることで、その商品が本物であるかどうかを簡単に確認できるようになるかもしれません。

ただし、偽造品対策としてのNFTの活用には、まだ課題もあります。例えば、偽造品にもNFCチップを取り付け、そのチップがNFTにたどり着くようにすれば、真贋判定を欺くことができてしまうかもしれません。こうした問題に対して、どのような対策が取られるのか、今後の動向に注目が集まります。

NFTによるブランドロイヤリティの可視化と転売対策

ブランド品にNFTを紐付ける意義は、真贋判定だけではありません。NFTを活用することで、そのブランド品を誰が所有しているかを把握することができるようになります。

例えば、ティファニーとポケモンがコラボレーションしてアクセサリーを販売する場合、転売目的で購入する人が多くなることが予想されます。しかし、過去にティファニーやポケモンのNFTを収集していた人に優先的に販売することで、本当にブランドを愛する人の手に商品を渡すことができるようになるかもしれません。

このように、NFTを活用してブランドロイヤリティを可視化し、転売対策に役立てるという発想は、Web3時代ならではのアプローチだと言えます。ブランド品とNFTの組み合わせには、まだまだ多くの可能性が秘められているのではないでしょうか。