著作権や商標、特許など、世の中には多くの権利があります。
形のないものについては、そういった権利を扱ってもらえることで正当な評価、報酬が得られるわけで、20世紀以降の複雑な社会では必要不可欠なものとなっています。
ゆっくり茶番劇の件
先日より、ゆっくり茶番劇についてネット上で大きな話題となっています。
当該人物を煽るツイート、ハッシュタグなども含め、もしかしたらなにかで目にした方もいるかもしれません。
ひろゆきさんも乗ってきて、メディアでも取り上げられ、今後はどうなるでしょうか。
このブログを書いているのは16日の朝です。
状況にもまた変化がでているかもしれません。
この騒動の発端となったのは、とある動画投稿者が「ゆっくり茶番劇」を商標登録したことから始まります。
細かい情報は記事にもなっています。
人気動画ジャンル「ゆっくり茶番劇」を第三者が商標登録し年10万円のライセンス契約を求める ZUNさん「法律に詳しい方に確認します」(ねとらぼ) – Yahoo!ニュース
パブリックドメインの弱点
今でこそ、権利を放棄するCC0という考え方が世界で広がってきています。
東方Projectについては、その先駆けとなった存在で、インターネット時代にとてもマッチしています。
その結果、東方はマスとは違うところで文化が築かれることになります。
数ある分岐の一つが、ニコニコ静画、YouTubeでもしかしたら見たことがあるかもしれない「ゆっくり実況」と呼ばれる文化です。
魔理沙、霊夢の機械声で掛け合う動画です。
もしかしたら、元ネタが東方Projectだということを知らない人すらいるかもしれませんね。
これは暗黙の了解で、誰も権利を独占しないからこそ自由に使える文化、ということで成り立っています。
逆に誰かがその権利を主張した場合、成り立たなくなる可能性もあるわけです。
一般的な商標ですと、社会通念上誰が最初に使っていたかというところで判斷されます。
今回の「ゆっくり茶番劇」がどうなるのか。しかもすでに商標が認められています。
今回のケースは異議申し立て期間がとっくに終わっている状態での公表だっただけに、どうなるのか。
現在は同様にCC0の考え方が広がりつつある中、ある程度文化が育ってきたら悪意を持って、という抜け道についてはCC0の弱点です。
言い方を変えれば、既存の権利ビジネスと現代の価値観が少しずれ始めてきているとも考えられます。
自分はゆっくり文化が好きなので、今回の件は残念に感じています。
今後の動向を見守りたいです。