中国でヒップホップやラップが禁止に?なんて気になるニュースが飛び込んできました。
中国でヒップホップ禁止令? 人気番組からラッパーが突如降板(AFP=時事) – Yahoo!ニュース
報道によると情報が定かではないのでなんともいえませんが、日本ではなかなか考えられないようなこともあるのですね。
なんだかんだで音楽はプロパガンダよ
音楽に限ることではなく、演劇だって、スポーツだって、昔は国家が都合のいいようにいろいろ口を出すのは当たり前です。1936年のベルリンオリンピックはナチス政権真っ只中、それはもう徹底的なプロパガンダとして使われていました。
プロパガンダというのは、ざっくりいうと民衆の意識や思想、行動を扇動、誘導するような意味です。
日本でも、戦時中は国威発揚を目的とした歌ばかりがでるようになりました。当時の方々がどういう気持ちで音楽をつくり、歌い、聞いていたかはわかりません。もし彩雨さんがあの時代を生きていても、そういった音楽を作っていたかもしれませんね。こればかりはなんとも…。
ちなみに日本では、戦後はポップスのイメージを一新するために、戦時中歌っていた歌手から新たにデビューする歌手へレコード会社はスイッチを切り替えます。音楽界も新しい日本の幕開けです。美空ひばりさんなんかもまさに、戦後に登場したスーパースターです。その一方で、戦時中に歌っていた歌手は、戦前のイメージもあり表舞台へと出にくくなったという話も聞いたことがあります。これもまた悲しい話ではありますが、音楽を聞くのは結局のところ一般大衆であり、避けられない出来事だったのかもしれません。
北朝鮮も、基本的には知る限りでは国威発揚を目的とした内容の歌や映画、芝居が多いように感じます。
考え方はそれぞれ
そういった国家のいいなりになって曲を作る姿や、そういった音楽を喜んで聞く人々に、もしかしたら「遅れてる」という考えを持つ人もいるかもしれません。日本の今の暮らしから考えると、想像できないものですからね。
しかし、考え方、主義主張はそれぞれです。自分たちの考え方が正しいと誰が決めたわけでもないのですから。なのでそれを「遅れてる」とし批判し虐げようとする、そういう考え方自体がまた”遅れてる”わけで、戦争がはじまってしまったりするのではないかと思います。
芸術亡命、難しい問題
ロシアからアメリカへ、ヨーロッパからアメリカへと、音楽をはじめ芸術活動を目的とした亡命をした人はたくさんいます。有名所ですと、ストラヴィンスキーやラフマニノフなんかも、亡命したミュージシャンです。
しかし、まぁ難しい問題ですよね。「中国で好きな音楽できないなら、亡命して他の国でやればいいじゃん」、なんて気楽な話はでもありませんからね。そういう意味では、今の時代の日本でのびのびと音楽ができるのは、先人たちに言わせてみれば本当に恵まれていることなのかもしれませんね。