日比谷線の車両でBGMを流すという実験を行うそうです。
東京メトロ日比谷線で車内BGMを試行運用–クラシックやヒーリング音楽(CNET Japan) – Yahoo!ニュース
これはおもしろい試みですね。きっと否定的な意見も多いかなと思ってましたが、案の定、否定的な意見が多いですね。
まぁ、世の中なにかを押し付けられることは嫌なもの、変化を嫌うもの。とはいえ否定するのは誰でもできるということで、彩雨さんはここはあえて賛成の立場でこの件について考えてみたいと思います。
クラシックで心も快適空間、いいじゃない
音楽くらい好きな曲を聞かせろ!と思う方もいることでしょう。
俺はクラシックが嫌いだ!と言う方もいることでしょう。
イライライラ…
おや、みなさんイライラしてますね?
そうです、この世の中、基本的にみんなイラついてるんですよ。仕事に、家族に、自分自身に、そして何よりもこの腐った社会に!!
ね。
まぁ、みんな落ち着こうぜ。クラシックでも聞いてさ。
彩雨さんの講義「音楽とテクノロジー」の中で、BGMの効果についての話をします。BGMにはいくつかの効果があるのですが、その中に”行動誘導効果”というのがあります。
例えば、ホテルのロビーではゆったりな曲のBGMが流れているのに対して、スーパーマーケットでは少しアップテンポの楽曲がかかることが多いです。(※有線を流しているスーパーではあてはまらないかもしれませんけどね)
人間不思議なもので、アップテンポの曲を聞くと早く動き、スローテンポな曲を聞くとゆっくり動くものなのです。
そのため、回転率を上げたいお店ではアップテンポの曲を流すと言われています。
とあるレストランでは、回転率を上げたいランチタイムとゆっくり過ごしてほしいディナータイムでBGMを分けているという話もあります。
1分1秒でも早く移動したく、駆け込み乗車、詰め込み乗車が当たり前のこの東京で、どうせ文句言ってるやつは、普段はゆったりとしたクラシックやヒーリングミュージックは聞かないでしょ。せめて日比谷線の中くらい、ゆっくりな音楽聴きながら、ゆっくり生きようぜ。
世の中、うるさいものだらけ
隣の人のイヤホンからカシャカシャ…うるさいなぁ。
携帯電話の通話…うるさいなぁ。
ガーガーいびき…うるさいなぁ。
イライライラ…
おや、みなさんイライラしてますね?
そうです、この世の中、基本的にみんなイラついてるんですよ。この世の中、騒音だらけ!うるさい!だまれー!!
そもそもですね、生きていれば必ず音を出すわけです。何かをすれば音はでるのです。今さら、うるさいはないでしょう?
と、そうもいかなくなったのも、この現代社会の特徴です。1974年のピアノ騒音殺人事件を皮切りに、人々はこの社会の音を”騒音”と”非騒音”に分けるような考え方を身に着けてしまいました。今はノイズキャンセリングイヤホンなど、騒音対策をとったイヤホンなども登場し、それだけこの騒音問題がいかに我々の生活にとってストレスなのかを伺うことができます。
しかし、これだけ人が多い現代社会で、すべての騒音をなくすことなどできません。
そこで効果的なのが、BGMが持つ効果の一つでもある”マスキング効果”です。
ガヤガヤとうるさい居酒屋をイメージしてください。もしそのうるさい居酒屋でBGMがなかったとしたら、きっと隣のテーブルの声がもっと気になると思いませんか。
なにか特定のBGMが周りの騒音をシャットアウトしているわけです。これは不思議なもので、耳に周りのガヤガヤはもちろん入ってるわけですけど、脳がそれをうまく無視するということです。
まぁ「木を隠すなら森の中」みたいな考え方に近いところですね。
もし電車の車内でBGMが流れていたら、イヤホンのシャカシャカ音などは多少気にならなくなるのかななんて思います。
それでも無音がいい
まぁ、それでも無音がいい人もいるでしょう。電車のガタンゴトンをひたすら聞きたい人もいるでしょう。
今回の件は電車という公共機関の空間で、どこまで踏み込むべきなのか、正直難しいところではあります。そういった事情を配慮したのか、今回の日比谷線の試みもラッシュ時は避けるみたいですね。どうせならラッシュ時にこそやったほうが面白いとは思いますけどね。
この試み、どう動くでしょうか。