法務大臣の失言が話題です。
法務大臣の仕事が死刑執行のハンコを押すだけの地味な仕事なのかどうかはわかりませんが、死刑執行のハンコを押すのが法務大臣であることは間違いありません。
法務大臣が死刑の最終決定をする
死刑判決を下すのは裁判所ですが、死刑をすると最終決定するのは法務大臣です。
国家元首でもなく、総理大臣でもなく、法務大臣というところが少し不思議ですよね。
そもそも死刑に限らず、刑の執行は検察官が作成する執行指揮書により行われます。
ただし死刑はけっこう重要で重大な事例ですので、上司のお伺いをたてましょう。
それじゃあ一番の上司って誰だろうという話ですが、そもそも検察庁は法務省に所属しています。
こちらは法務省のHPから引用した組織図です。
法務省、刑事局、そのあとに最高検察庁となっていますね。
なので1番の上司はというと、法務大臣になります。
刑事訴訟法にも、死刑の最終決定は法務大臣でいきますということが明記されています。
ちなみにこれは死刑だけで、それ以外は法務大臣のハンコはいりません。
それだけ死刑が重大ということです。
自動化はできない
日本の死刑は、死刑判決がでてから六ヶ月以内に執行されることになっています。
この六ヶ月というのは、刑事訴訟法という法律に明記されています。
しかし、みなさんもご存知の通り、必ずしも半年以内に死刑執行されているわけではありません。
というより、いつまでもされないケースのほうが多いようにも思えますね。
この半年というのはあくまで努力目標ということで、それをすぎたらNGというわけでもありません。
しかしどうせ死刑判決がでているのだから、法務大臣のハンコはいらないのではないかという意見がでたこともありました。
15年前、当時法務大臣だった鳩山氏の意見です。
鳩山邦夫法務大臣の死刑執行に関してなされた発言等に関する質問主意書:質問本文:参議院
死刑というのはそれだけセンシティブなもの。
命の尊さ、冤罪の可能性、いつまでも答えがありません。
それだけに、法務大臣にのしかかる重責はすさまじいでしょう。
自動化してくれよという気持ちもわからんでもないですが。
そういうところも受け止めた上でしっかりと職務をこなしてもらいたいものです。
日本は死刑をおこなっている国ですが、昔からこれについてはいろいろな考え方があったと思われます。
ここに時代に合わせた柔軟さを取り入れるために、こういった法務大臣のハンコというクッションを取り入れるルールにしているのではないかなと、自分は考えています。
それだけに、法務大臣にはしっかり考えた上で責任を持って死刑執行のハンコを押してもらいたいものですね。