日本とガラパゴス化 ~なんで国産のスマホが世界で戦えないのか~


日本にいると気づかないこともありますが、実は日本にしかない機能、仕組み、規格というのはいくつかあります。

という長い前置きは前に書いたブログを参照していただきつつ…

日本とガラパゴス化 ~左側通行の不思議編~

そもそもガラパゴス化というのは、ダーウィンの進化論でもおなじみのガラパゴス諸島からきている言葉です。ガラパゴス諸島では孤立した環境から独特の進化を遂げる動物たちが多く、同じように孤立した環境で独特の進化を遂げる機器や技術をガラパゴス化なんていいます。

ガラケーという言葉がありますが、ガラケーのガラはガラパゴスのことです。携帯電話も日本は独自の進化を遂げ、多くの機能がついています。

現在はスマホにとって代わりましたが、表面上はスマホへと切り替わっても、日本には日本独自の仕様があります。

日本独自のワンセグ

テレビ放送がデジタル化されたころ、ワンセグ放送が始まりました。これまでもアナログの電波を受信して手元の小型テレビで視聴することはできていました。ワンセグ放送も同じようなものですが、デジタル放送を見ることができる機能です。

その昔、日本のガラケーは当たり前のようにワンセグを視聴することができました。ですが、最近のスマートフォンはどうでしょう?みなさんのスマホはワンセグを見ることができますか?

現在は多くのスマートフォンの機種がでていますが、ワンセグを受信できるのは富士通のような日本のメーカーが作っているスマホだけです。というのも、ワンセグはアメリカや韓国で視聴することができません。デジタル放送にはいくつか規格があり、日本のものとは違うからです。

現在はインターネットを利用したテレビ放送も本格参入しそうな流れの中、スマートフォンでワンセグを視聴しなければならない事情もなくなってきたと言えるでしょう。今後、スマートフォンやパソコンのワンセグは必ずしも必須機能ではなくなると予想されます。

日本独自のおサイフケータイ

日本にはFeliCaという、日本独自のおサイフケータイ機能があります。決済だけでなく、モバイルSuicaでも使われている規格です。これは海外では使えず、海外ではNFCという同じような規格があります。

そのため、おサイフケータイを搭載した機種もまた、日本では流通が少ないのが現状です。国産メーカーは搭載していますが、海外のメーカーは世界流通を考えるとなかなか搭載へ踏み切れません。そのような中、iPhoneが日本での普及率を考慮しFeliCaを搭載したiPhoneを日本専用で発売したのが大きな話題になりました。

ガラパゴスの象徴「フェリカ」、iPhone標準搭載で世界進出に芽(ニュースイッチ) – Yahoo!ニュース

こちらのFeliCaについては、日本独自の規格が世界進出する可能性も秘めています。日本のコンビニや改札機を海外仕様にするか、世界が日本仕様になるのか、まさしく今、せめぎあいをしているところなのです。早くおサイフケータイ機能のあるスマホを使いたい自分としては、今後の展開が気になるところです。

日本独自のSIMロック

海外に比べ、日本はSIMロック解除がなかなか進みませんでした。ガラケー時代は、携帯を買う窓口はドコモなどの携帯キャリアでしたよね。そして、ドコモやソフトバンクで機種を選び、会社を変えるときは機種も含めて変えてました。

通信会社と端末がセットになっているのが日本独自の携帯販売の在り方でした。SIMロック解除というのは、一つの端末でどこの通信会社でも使えるということです。

SIMロック解除がなされるようになりましたが、日本はいまだに通信会社と端末がセットになってスマホを売っているイメージがあります。これはある種のユーザーの抱え込みなのですが、実はこの仕組みこそが、端末を作るメーカーの競争力を下げているようにも感じます。

スマホのグローバル化

ガラケー時代は、みなさん国産メーカーの機種を使っていました。富士通にNEC、シャープ、東芝あたりが有名でしたかね。NなんとかとかSHなんとかとか、懐かしいです。

スマホ時代になると、国産メーカーは出遅れてしまいました。アメリカに本社を置くAPPLEや、アジアに本社を置くサムスンなどが世界へシェアを伸ばしていくことになり、日本でもまた勢力を広げるようになります。最近は中国や台湾のメーカーもかなり高性能な機種を出しており、日本のスマホ産業はいまいち波に乗り切れていないのが現状です。

日本のメーカーは日本をターゲットにしています。おサイフケータイ機能やワンセグを必ずつけます。海外のメーカーは世界をターゲットにしています。このあたりの考え方の違いも、日本が出遅れてしまった一因なのかもしれません。