これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。
SNSの歴史を振り返ると、成功と失敗の事例から多くを学ぶことができます。特に、IT業界の巨人Googleが展開したSNSサービス「Google+」の失敗は、市場参入のタイミングと戦略の重要性を改めて考えさせる興味深い事例です。
巨人Googleの野心的な挑戦
Googleプラスは、豊富な資金力とユーザーベースを持つGoogleが、FacebookとTwitterが確立したSNS市場に挑んだ意欲的なプロジェクトでした。当時絶大な人気を誇っていたAKB48とのコラボレーションやCM展開など、大規模なプロモーション戦略を展開。さらに、すでに多くのGoogleサービスユーザーを抱えていたことから、成功への期待は大きく膨らんでいました。
揺らいだアイデンティティと市場の現実
しかし、GoogleプラスはSNSとしての明確なアイデンティティを確立できませんでした。特に、実名主義から匿名での利用を認めるという方針転換は、サービスの一貫性を損なう結果となりました。TwitterやFacebookが、それぞれ匿名と実名という明確な方針を持っていたのに対し、Googleプラスの曖昧な立ち位置は、ユーザーの信頼を得ることができなかったのです。
デファクトスタンダードの壁
「デファクトスタンダード」という言葉が示すように、既に市場で確立されたサービスを覆すことは極めて困難です。キーボードのQWERTY配列のように、たとえより優れた選択肢が存在しても、既存のスタンダードを変えることは容易ではありません。SNS市場においても、後発のサービスが成功するためには、圧倒的な優位性や革新的な機能が必要不可欠です。Instagramが写真特化型SNSとして成功を収めたように、明確な差別化戦略がない限り、既存のプラットフォームからユーザーを奪うことは極めて困難なのです。