これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
スターリンク、ついに日本全国へ――auが提供を開始
2024年4月10日から、auユーザー向けに「au スターリンク ダイレクト」という新しい通信サービスが始まりました。これは、イーロン・マスク氏が手がける「スターリンク」の衛星通信を活用し、宇宙からの電波を直接スマホで受信できるという画期的な仕組みです。
通常の携帯通信は地上の基地局を経由していますが、スターリンクは宇宙に配置された多数の小型衛星を使って、地球上のあらゆる場所にインターネットを届けます。今回のサービスでは、対応するスマートフォンを使えば、電波の届かない“圏外”の状況でも、空さえ見えていれば衛星通信を使ってメッセージの送受信が可能になります。
iPhone 14以降をはじめ、PixelやGalaxy、Xperiaなど多くの機種が対応しており、最近のスマホであれば利用できる可能性が高いのも嬉しいポイントです。申し込みは不要、当面は無料で提供されているため、auユーザーにとっては知っておいて損のない新サービスです。
県外でもつながる安心感――災害時や遭難時にも有効
このサービスの特徴は、スマホが通常の電波を拾えない「圏外」にいるとき、自動的にスターリンク衛星と接続される点です。画面右上のステータスバーには、いつものアンテナマークの代わりに“衛星”のアイコンが表示され、SMSの送受信や緊急情報(Jアラートなど)の受信が可能になります。
特に注目すべきは、災害時や登山中など、緊急時の通信手段として活用できる点です。これまで“圏外”になってしまえば何もできなかった場所でも、空が見えていれば最低限の連絡が取れる可能性がある――これは非常に心強い進化です。LINEなどのインターネットを使ったアプリにはまだ非対応ですが、2024年夏以降にはデータ通信にも対応予定とのこと。今後の展開にも期待が高まります。
通信の未来へ――他社も続々と準備中
現時点ではauユーザー向けのサービスですが、将来的には他キャリアやサブブランドへの展開も期待されます。実際、NTTドコモやソフトバンクは、成層圏を飛行する電気飛行機を活用した通信技術(HAPS)を研究中であり、楽天モバイルも衛星通信の導入を視野に入れた開発を進めています。
日本は国土がコンパクトで、一般的には通信環境が整っていますが、それでも自然災害や電波障害によって突然“圏外”になることはあり得ます。そんなとき、空が見える場所に移動するだけで最低限の通信が可能になる――この安心感は非常に大きな価値を持つはずです。
今回のauによるスターリンク対応は、まさにその第一歩。まだ使える機種や対象ユーザーには制限がありますが、この流れが広がっていけば、「どこにいても、誰とでもつながれる時代」がさらに現実味を帯びてきます。