これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。
かつてロボット掃除機といえば、「ルンバ」と答える人がほとんどだった。しかし今、その立場は揺らぎつつある。米アイロボット社が生み出したルンバというブランドは、今、存続の危機とも言える状況に陥っている。
■ アイロボット社が「継続可能な企業か」に疑問符
2024年、アイロボット社(iRobot)は衝撃的な発表を行いました。
それは、「会社の継続能力について重大な疑義がある」というもの。株価は一時30%以上も下落し、市場は混乱しました。
きっかけは、Amazonによる買収計画の中止です。
- Amazon は以前、アイロボットを17億ドルで買収する計画を発表
- しかし EUの規制懸念により中止
- これにより、買収前提で巨額の借入を行っていたアイロボットは経営的に大打撃を受けた
つまり、「救世主」のはずだったAmazonとの提携が破談となり、会社全体が不安定な状態に陥ったのです。
■ 性能面でも劣勢:中国メーカーに席巻される市場
一方、製品自体にも課題が浮き彫りになっています。
- 新型ルンバの吸引力は他社製品と比べて 約1/3
- 価格競争力も弱く、中国メーカーの半額以下のモデルに苦戦
- 「水を広げるだけ」「使いにくい」といった酷評も少なくない
こうした現状に対し、多くのユーザーは次第に中国メーカー製のロボット掃除機へと目を向け始めています。
■ 注目の中国メーカーたち
- アンカー(Anker):コストパフォーマンス抜群で人気急上昇
- エコバックス(Ecovacs)
- Roborock(ロボロック)
これらの企業は、ルンバの機能を踏襲しつつ、より高性能・低価格な製品を次々と投入しています。
■ ブランド名だけでは勝負できない時代に
かつては「ルンバ=ロボット掃除機」と言われるほど圧倒的な存在感を放っていたアイロボットですが、今は様変わり。
ロボット掃除機は家庭内で使うため、見栄を張って高いものを買うといった心理は働きにくく、「安くて良いならそっちを選ぶ」という消費者心理が強まっています。
また、ルンバの最新モデルに対する期待も薄く、「そこまでして高いものを買う必要があるのか?」という声も多く聞かれます。
■ 日本の過去と似た中国の台頭
実はこの流れ、日本の技術発展史とどこか重なります。
かつて日本の自動車産業は海外の技術を学び、改良し、独自の高品質な製品として世界に送り出しました。今の中国メーカーも同じような道を歩んでいます。
- 自動車業界でもBYDなどの中国企業がグローバル市場で急成長
- AI分野でも「DeepSeek」など、技術力が急激に向上
つまり、中国企業は単なる「パクリ」ではなく、独自の進化を遂げているのです。
■ 個人的には…「アンカー買ってみようかな」
筆者自身、ロボット掃除機を使ったことがなかったのですが、この記事をきっかけに興味を持ちました。
- アマゾンのセール時に「アンカー」のモデルを見てみたら、かなり良さそう
- 実際にいくつかアンカー製品を使っている人も多く、「いいよ」との声多数
- 価格も手頃で、性能も十分
というわけで、筆者は近々、初ロボット掃除機として「アンカー」を購入予定です。
■ ブランドよりも実力の時代へ
ルンバという製品が生まれた背景や技術的先駆性は素晴らしいものの、市場での生存競争には適応できていないのが現状です。
Appleのように、「パクられても圧倒的なブランドと技術で勝つ」ことができれば別ですが、それ以外の企業にとっては厳しい現実があります。
今後、アイロボットが生き残るには、消費者のニーズに即した製品開発と、スピード感のある革新が不可欠でしょう。
■ まとめ
- アイロボット社はAmazonによる買収計画の中止により、経営的にピンチに
- 新製品の性能・価格面で中国メーカーに大きく後れを取っている
- 消費者の関心は「安くて良いもの」へとシフトしている
- 中国メーカーの技術力と価格競争力が脅威になっている
- 筆者は「アンカー」を購入予定、中国製品の魅力に注目