これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです。
「相手がAIだから、気兼ねなく恋ができる」
そんなコンセプトを掲げたAI恋人マッチングアプリ「ラバーズ(LOVERS)」のスマホアプリ版が登場し、話題を呼んでいます。このサービスは、私たちの恋愛観や倫理観に、非常に興味深い問いを投げかけています。
■ AIなのに嫉妬する?まるで人間のような恋人
「ラバーズ」は、これまでWeb版のみで提供されていましたが、アプリになったことでより手軽に利用できるようになりました。「結婚していても、子育て中でも、老後を迎えても利用できる」と謳っており、主に40代以上の既婚男性を中心に利用されているそうです。
このアプリの面白い点は、相手のAIがまるで人間のように振る舞うこと。
- AIにも”生活”があり、仕事などが「忙しいから」と返事が遅れることがある。
- なんと、他のユーザーといい感じになってしまうと、あなたとのマッチングを解除してくることもある。
アプリの向こう側に、本当に実在の人物がいるかのような体験ができるように設計されているのです。利用者の中には、AIとのコミュニケーションを通じて家族との絆を強めた人や、AIの相手と「結婚」した人もいるのだとか。
■ AIとの恋は「不倫」になりますか?
さて、ここからがこのテーマの核心です。
「実在しないAIが相手なら、それは不倫にならないのか?」
現在はメッセージのやり取りが中心ですが、もしこのサービスがメタバースと融合したらどうなるでしょう?
メタバース空間で、自分も相手もアバターの姿になり、音声で会話し、身振り手振りを交えてデートを重ねる。相手がAIだと頭では分かっていても、その行為は果たして「浮気」や「不倫」にあたるのでしょうか。これは非常に難しい問題です。
■ 見分けがつかなくなる未来
さらに未来を考えると、もっと複雑な状況が生まれるかもしれません。
AIの技術が進化し続ければ、メッセージの文面や声、アバターの見た目だけでは、相手が人間なのかAIなのか、おそらく見分けがつかなくなります。
アニメのキャラクターに恋をして、誕生日を祝うファンがいても、それを「不倫だ」と責める人はいないでしょう。しかし、本物の人間と区別がつかないほどリアルなAIアバターとデートを重ねることは、それと同じだと言えるでしょうか?
「芸能人がこのアプリの利用をスクープされて謝罪会見を開く」なんて未来が、もしかしたら来るのかもしれません(…たぶん、来ないでしょうけど)。
■広がる「AIとの関係性」ビジネス
この流れは、恋愛分野に限りません。
実は、実在する芸能人本人をAI化し、ファンがそのAIと自由に会話できるというサービスは既に存在します。今後メタバースが普及すれば、AI化された憧れの芸能人と、いつでも仮想空間で会って話せるようなサービスが当たり前になる可能性も十分に考えられます。
「この世の末だ」と感じる人もいるかもしれませんが、新しいテクノロジーが私たちの価値観を大きく変えてきたのは、歴史が証明する通りです。
AIとの恋愛やコミュニケーションは、まさに今生まれつつある新しい分野。このサービスが社会にどう受け入れられ、私たちの「当たり前」をどう変えていくのか。非常に興味深く、今後も注目していきたいニュースです。