イーサリアム10周年〜その功績と、NFTの未来を語る〜


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

祝10周年!僕がイーサリアムの未来にワクワクし続ける理由

僕たち界隈をいつも賑わせてくれる「イーサリアム」が、この7月でなんと10周年を迎えました。暗号資産の歴史は、始祖であるビットコインから始まりますが、そのビットコインの「ここはもうちょっと使いやすかったらな…」という部分を改良し、もっと便利なものを作ろうとして生まれたのがイーサリアムなんです。

では、イーサリアムの何がそんなに画期的だったのか。それは「スマートコントラクト」という機能に集約されます。これは、ものすごく簡単に言えば「お金そのものにプログラムを仕込める」という仕組み。ビットコインが価値の保存や送金といった「通貨」としての機能に特化しているのに対し、イーサリアムは通貨に「契約を自動で実行する知能」を持たせたのです。これにより、単なるお金のやり取りに留まらず、それを活用して新しいサービスや仕組みそのものを創り出す、巨大なプラットフォームとしての道が開かれました。

プログラムが動かす「銀行2.0」とアートの世界

「お金にプログラムを仕込める」ことで、具体的に何ができるようになるのでしょうか。例えば、銀行業務を考えてみてください。お金の貸し借りや利息の計算といった作業は、現在、銀行という組織と人が行っています。しかし、スマートコントラクトを使えば、これらすべてをプログラムによって自動化できます。これが「DEX(分散型取引所)」と呼ばれるもので、まるで自律して動き続ける“銀行2.0”です。人が介在しない分、従来の銀行よりはるかに高い利子で資産を運用することも可能になり、金融のあり方を根底から変える可能性を秘めています。

この革新は金融だけに留まりません。近年話題になった「NFT」も、このスマートコントラクトを応用した技術です。デジタルアートや音楽といったデータに、「これは唯一無二の本物で、所有者はこの人です」という証明情報をブロックチェーン上に刻み込む。これにより、これまで簡単にコピーできてしまったデジタルデータに、資産価値を持たせることができるようになりました。イーサリアムは、お金のやり取りだけでなく、アートやクリエイティブの世界にも革命をもたらしたのです。

冬の時代を超え、今こそ見える本当の可能性

数年前の熱狂的なブームが過ぎ去り、NFT市場はすっかり冷え込んでいます。「NFTはもう終わった」と感じる人もいるかもしれません。しかし僕は、本当の勝負はこれからだと確信しています。その理由は、イーサリアム自身の「柔軟性」と「進化」にあります。

一度決めたルールを変えないビットコインと違い、イーサリアムは常に自らをアップデートし続けています。かつて環境負荷が問題視された際には、よりエコなシステムへと移行しました。そして今、最も大きな進化は、取引手数料、いわゆる「ガス代」の劇的な低下です。ブームの頃には数万円もかかっていた手数料が、今や数百円、時には1円以下にまで下がっています。このコストの壁がなくなったことで、個人も企業も、この技術をもっと気軽に、そして自由な発想で活用できる土壌が整いました。

さらに、法定通貨と価値が連動する「ステーブルコイン」の開発もイーサリアム上で活発に進んでおり、これが普及すればNFTの売買はさらに身近になるでしょう。投機目的の人々が去った今、水面下では次なる飛躍に向けたインフラが着々と整備されています。むしろ、今こそ技術の価値と向き合える健全な環境になったとすら感じています。

だから僕は、これからもイーサリアムとNFTの可能性を追い続けます。実は来る8月、僕自身の音楽作品をNFTとして久しぶりにリリースする予定です。10周年を迎えたイーサリアムがこれからどんな未来を見せてくれるのか、本当に楽しみでなりません。