デジタル化とも異なるエンターテイメントの「DX」を考える


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

今まさに、世界最大級の同人誌即売会「コミケ」が開催され、大きな賑わいを見せています。しかし、その華やかな世界の裏側で、この文化を支える「同人誌印刷」の業界が深刻な苦境に立たされているというニュースを目にしました。

印刷業者の4割が赤字。その理由は、紙やインクといった原材料費の高騰、人件費の上昇にあります。一方で、同人誌印刷の現場では、高品質、小ロット、そしてイベントに合わせた超短期納期といった、手間のかかる要求に応えなければなりません。コストは上がるのに、利益は出しにくい。先日、有名な印刷所が廃業したというニュースは、この問題の深刻さを物語っています。

「デジタル化」ではなく「併用」という道

この問題に対し、僕は「NFT」を活用した新しい道があるのではないかと考えています。それは、既存のものを単純にデジタルに置き換える、という話ではありません。僕が提案したいのは、物理的な「本」と、デジタルな「NFT」をうまく併用していくというハイブリッドなモデルです。

例えば、同人誌を販売する際、まず最初に「NFT」を販売します。このNFTを買ってくれた人は、デジタルでその作品を読むことができる。そして、もし「形として手元に残したい」と願う人がいれば、追加料金を支払うことで、後から印刷された本が自宅に届く、という仕組みです。

これは、僕が「デジタルチェキ」でやろうとしていることと全く同じ考え方です。チェキを印刷する文化をなくすのではなく、デジタルという選択肢を加え、ファンが自分の好きな形で楽しめるようにする。この「併用」こそが、クリエイターとファンの双方にとって、より良い関係を築く鍵だと信じています。

すべてのエンタメは「NFTファースト」になる

この「NFTを最初に売る」というモデルは、同人誌業界に限りません。僕は、音楽やアニメといった、あらゆるエンターテイメントに応用できると考えています。

例えば、音楽。今のようにアルバムをCDで売るのではなく、まず1曲ずつNFTとして販売する。そして、アルバム全曲のNFTを揃えてくれた人に、特典として物理的なCDをプレゼントする。もし僕が今から新しいバンドを始めるなら、間違いなくこの方法を取るでしょう。

アニメ業界も同じです。「円盤」と呼ばれるBlu-rayを売るビジネスモデルは、もはや限界に来ています。そうではなく、アニメを見てくれたファンにNFTを販売し、全種類集めてくれた人に、ご褒美としてBlu-rayをあげる。そうすれば、物理的なディスクは、より価値のあるコレクターズアイテムになります。

僕が確信する「未来が来るタイミング」

僕はこれを「NFTを通じたエンターテイメントのDX(デジタルトランスフォーメーション)」と呼んでいます。この4年間、僕自身がこの分野で活動を続ける中で、この未来が来るという確信はますます強くなっています。

もちろん、その未来が「今すぐ」ではないことも理解しています。だからこそ、僕は今、自分の小さな規模で、コツコツと未来の形を実験し続けているのです。

いつか、この流れが大きく切り替わるタイミングが来ると、僕は確信しています。その「タイミング」がいつなのか、僕の中ではもう見えています。その時が来たら、必ず皆さんに「来たぞ!」とお知らせしますね。

今回始めたデジタルチェキの配布も、僕が描く壮大な未来の、ほんの小さな一歩です。この新しいエンターテイメントの形を、ぜひ皆さんも体感してみてください。